概要
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RSI(相対力指数)は、資産価格のモメンタムとその変動スピードを測定するトレーディングインジケーターです。
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RSIの判定:RSI値が70%以上=買われすぎ、RSI値が30%未満=売られすぎ
RSI(相対力指数)は、ビットコイン(BTC)などの資産の価格がどの程度の勢いとスピードで動いているかを測るための指標です。RSIインジケーターは、暗号資産、株式、FX、その他金融市場にて活用されています。暗号資産トレーダーにとってRSIは、ボラティリティの高い市場で明確かつ実用的なシグナルを提供できる点が魅力です。コインがリバウンドや調整に入りそうなタイミングでエントリー・エグジットのヒントとなります。RSIインジケーターはPhemexですべてのトレーダーが無料で利用できます。本記事では、RSIの基本、仕組み、シグナル判別方法、トレード戦略、心理的背景について詳しく解説します。
RSIとは?
RSIは、暗号資産の価格がどのくらい勢いよく動いているか、その変化スピードを示す指標です。RSIは暗号通貨トレードにおける最も人気の高いインジケーターの一つであり、経験豊富なトレーダーにも好まれます。このインジケーターによる値をもとに、ビットコインのような資産が買われすぎか売られすぎかを判断できます。
この指標の根幹は、特定期間における平均上昇幅と平均下落幅の比率に基づいています。
RSIの計算方法
「RS」とは相対力(Relative Strength)の略で、「N」期間の平均上昇幅を「N」期間の平均下落幅で割ったものです。この値を以下の式で100段階に正規化します: RSI = 100 − (100 / (1 + RS))
この式により、RSI値は0~100の範囲内で変動します。そのためRSIは「オシレーター」と呼ばれます。
この計算で用いる標準的な期間設定は14期間です。日足チャートなら直近14日間、週足チャートなら直近14週間を参照します。
RSIインジケーターの読み方
買われすぎRSI & 売られすぎRSI
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RSI値70%以上=買われすぎ(Overbought)
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RSI値30%未満=売られすぎ(Oversold)
RSI値は数字で表示されます。これにより、「買われすぎ」または「売られすぎ」であるかを判断できます。RSIが70を超えれば買われすぎ、30未満なら売られすぎです。
買われすぎ(>70)の場合、上昇が行き過ぎており反落リスクがあります。売られすぎ(<30)の場合、下落が行き過ぎており反転上昇の可能性が高まります。
ただし、これらの条件のみを根拠にトレードすると不利な結果になる場合があります。RSIのより有効な使い方は次節で解説します。
RSIは他のインジケーターと組み合わせてこそ真価を発揮します。たとえばRSIと出来高を組み合わせると、上昇局面で出来高が複数回ピークを付けているか、あるいは一度きりなのかを判断しやすくなります。
ストキャスティクスとRSIの違い
StochRSIは従来のRSIをベースとした人気インジケーターです。主な違いは、RSIが価格の変動データを元に計算されるのに対し、StochRSIはそのRSIの値をさらに再計算して算出される点です。
StochRSIはRSIから派生しており、RSIの数値の変動を高速で捉えます。StochRSIの方がオシレーション(振動)が早く、RSIは比較的ゆったりと推移します。
Phemexでは両方のインジケーターを組み合わせて現在の価格状況をより多角的に分析できます。
RSI & MACD戦略とは?
MACD(移動平均収束拡散法)はPhemexの全銘柄で利用可能な信頼性の高いインジケーターです。MACDもRSI同様、モメンタム系指標で、ビットコインや他の暗号資産の移動平均間のバランスを示します。
RSIとMACDは同時に使用するのが効果的です。チャート上でMACDを適用した後、RSIと組み合わせてエントリーポイントを探りましょう。

MACDとRSIの主な違い
MACDとRSIの違いは、MACDが2本の指数平滑移動平均(EMA)を比較する一方、RSIはボトムからトップにかけての価格変化率を測定することです。2つを組み合わせることで、ビットコインが大きな値動きを起こす前兆シグナルが得やすくなります。
MACDはボラティリティが高い市場で有用であり、RSIは70〜80で天井、30〜40で底を付けやすいです。なお、どちらも信頼性の高い指標ですが、100%確実なシグナルを出すわけではなく、偽シグナルとなる場合もあります。
RSIをどう理解するか?
1.RSIは「買われすぎ」「売られすぎ」状態で長期間推移することがある
強気相場では、ビットコインが買われすぎ圏に居座り続けることが多く、弱気相場では逆も然りです。RSIはモメンタムオシレーターとして、価格が同じ方向へ強く動き続ける期間を視覚的に把握するのに適しています。
ただし、これらの状態はその期間において「普通」の出来事であることも多く、RSIはあくまでトレンドが過熱/過小になってきたことを警告するサインと捉え、即アクションに移すのではなく注意目標として活用しましょう。
2.RSIは価格変動に沿って動く
この指標の計算や値の読み取りが、実際に目にしている価格変動とどう関連しているかを理解することが重要です。もし値動きがしばらくレンジ状態で膠着していれば、RSIも中立的な値を示しやすくなります。
よって、その後衝動的な(イレギュラーな)値動きが発生すると、RSIも極端な水準まで一気に振れることになります。これがブレイクの前兆となる場合も多いですが、これを買われすぎ・売られすぎシグナルとして機械的に取引するのは得策ではありません。
3.RSIには適正な活用環境がある
移動平均線(MA)など他の指標と同様、RSIにも最適な環境があります。移動平均はトレンド相場で力を発揮しますが、RSIはレンジ(持ち合い)相場において勢いの減衰を察知することで転換点の予測に役立ちます。
強いトレンド相場でRSIを使うと、ダマシ(誤シグナル)を掴みやすいです。トレンド中にはRSIダイバージェンス(逆行現象)も頻発します。
トレンド相場では強い動きの後に押し目や戻りが常に発生するため、一見RSIがダイバージェンスを示していても値動きとしては想定の範囲内というケースが多い点に注意しましょう。
RSIインジケーターの使い方
PhemexでRSIインジケーターを使うのは簡単です。アカウント登録のみで、誰でも無料で利用できます。
1. RSIインジケーターを有効化する
「インジケーター」をクリックし「RSI」を検索するだけで、全てのトレーダーが無料で利用できます。

2. RSIをバイアス/モメンタムの目安とする
RSIが50ラインより上なら、価格アクションの確認を行いトレンドが強ければロングを検討します。反対に50より下ならトレンドの弱さを確認しショートを狙います。
上昇・下降トレンドの最中、RSIの50ライン周辺はサポート/レジスタンスゾーンとして機能しやすいです。ラインをブレイク・奪還した際は、モメンタムの転換点になる場合があります。

3. ダイバージェンスは追加確認や強弱判断の参考に
上述のとおり、ダイバージェンスを安易に取引根拠としないよう注意が必要です。経験的にうまくいったように見えても、多くの場合は都合のよい例を抜き出した結果にすぎません。
RSI 14 の意味とは?
RSIインジケーターは、デフォルトで「14」期間を適用します。つまり直近14日間や14週間のRSI分析値を見ていることになります。
この期間は設定で自由に変更可能です。左上の歯車アイコンをクリックし期間を調節できます。
PhemexのチャートではデフォルトでRSI横に「14」と表示されます。
良いRSI数値とは?
ショート狙いならRSI70〜80、ロング狙いならRSI20〜30が理想的な水準です。RSIだけでも利益が見込めるトレードが可能です。「安く買って高く売る」という戦略を実行しやすく、RSIはエントリータイミングの精度向上に有効です。
弱気(ベア)・強気(ブル)トレンドでの利用
買いシグナルとして望ましいRSIは40未満で、売りシグナルは70以上です。弱気トレンドでの強気ダイバージェンス(価格が安値更新でもRSIは高値更新)、強気トレンドでは弱気ダイバージェンス(価格が高値更新でもRSIは低下)が生じます。
ただし、ダイバージェンスのみで早まった取引はリスクが伴います。たとえば価格が持ち合いから急上昇した直後にさらにフラッグ形成し上昇すると、RSIは買われすぎ表示が続きます。横ばい後すぐの調整は正常な値動きでも、直近の勢いが薄まるとRSIはダイバージェンスを示すことがあります。
トレンド市場ではこれが頻繁に起こるため、単にRSIダイバージェンスを見るのではなく値動きの変化点を注視し、初期高値を失ったタイミングが本格的な転換ポイントとなる場合が多いです。
このように、モメンタムの現象=ダイバージェンスではなく、実際の価格アクションの転換を重視して取引判断を行いましょう。

悪いRSI数値とは?
RSI40未満で売却、RSI70以上で買いエントリーするのは避けましょう。これらのケースはパニック売りや、FOMO(高値掴み)につながるリスクが高まります。
各種インディケーター同様、RSIを主体としたトレード戦略構築も可能です。RSIは最もポピュラーなトレーディングインジケーターの一つです。
RSIに潜むトレーダー心理
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買われすぎ心理(RSI>70):RSIが70を超える状況は買い圧力が強く、欲望(Greed)が蔓延している状態を示します。市場が過熱状態にあり、利益確定売りや買い意欲の鈍化による反落リスクが高まります。必ずしも価格が高すぎるというわけではありませんが、直近の上昇が持続しにくいタイミングと言えるでしょう。
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売られすぎ心理(RSI<30):RSIが30を下回ると強い売り・恐怖(Fear)が支配します。この状態で投げ売り(キャピチュレーション)が進むと、底打ちし反発フェーズに移る場合があります。ただし、強い下落トレンドでは30未満が長期化することもあり、恐怖が持続しているサインです。
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RSI中間値(40~60):40~60のゾーンは買い手と売り手のバランスを示しています。50を上抜けると強気、50を下回ると弱気傾向。40や60のラインはサポート・レジスタンスとして機能する場合があります。
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ダイバージェンス(モメンタムと価格の乖離):ダイバージェンスは価格が高値や安値を更新してもRSIが追従しない現象です。価格が高値更新でもRSI低下(弱気ダイバージェンス)はトレンドの弱まり、逆に価格が安値更新でもRSI上昇(強気ダイバージェンス)は売り圧力の鈍化=転換点となる場合があります。

RSIは信頼できる?
RSIは短期・長期問わず最も信頼性が高い指標のひとつです。特に他の長期トレンド指標と組み合わせることで、その精度はさらに高まります。
賢明なトレーダーは、日足や週足チャートで過去のRSI動向を分析し、現在の市場状況を考察します。
RSIが低い時の意味
RSIが低い=ビットコインやその他暗号資産が「売られすぎ」であることを示します。これはトレーダーや積立層にとって優れた買い場となります。ビットコインのRSIが底値圏まで下がるのは稀で、深いベアマーケットを除き、30〜40付近で反転する傾向が強いです。
ビットコインはRSI30〜40で底を打つ歴史があります。RSI30台や40台前半は購入の好機となる場合が多いです。この水準は短期的なトレンド転換や上昇モメンタムを示唆することが多いです。
RSI判定の精度を上げたければ、買われすぎラインを80、売られすぎラインを20に変更することも有効です。これによりダマシを減らしやすくなります。
ビットコインRSIアラートはどこで?
ビットコインRSIアラートを設定したい場合、最も一般的なのはTradingViewの活用です。
TradingViewではカスタムアラートをすべてのインジケーターで設定可能。メールやSMSで通知できます。RSIアラート機能についてはTradingView内のBTC/USDTペアを使えば戦略構築も容易です。
なお、PhemexチャートもTradingViewに連携可能で、事前にシミュレーションした上で実際の取引へ移行できます。
まとめ
RSI(相対力指数)は暗号資産トレーディングにおける意思決定を大きくサポートする実績ある指標です。複雑な価格アクションを単純なオシレーターの数値に落とし込み、モメンタムの強弱を察知できます。買われすぎ/売られすぎだけでなく、ダイバージェンス(逆行)パターンの読み取りを学ぶことで、市場転換点を予測したり、無駄な高値掴みや底値投げ売りを回避できます。トレンド状況、サポート/レジスタンスライン、出来高など他の分析要素と組み合わせてRSIを活用しましょう。導入前には十分なバックテストとパフォーマンス記録が重要です。
RSI戦略を実行するには、信頼性の高い取引プラットフォームが不可欠です。Phemexでは、RSIシグナルを活かした売買が可能です。現物・先物取引(スポット/先物)どちらも対応し、RSIや他のインジケーターをカスタマイズしながら高度なチャート操作が利用できます。また、トレーディングボットや条件付き注文にも柔軟に対応。Phemex上でRSIを駆使すれば、スピード・ツール・サポート――全てにおいて仮想通貨トレードの精度を高めることができるでしょう。