要約
- HODLとは、保有し続けて売らないことを意味する仮想通貨投資戦略です。ホドラー(HODLer)であるトレーダーは一般的に仮想通貨資産を保有し続け短期的な市場変動を無視します。
- トレーダーがHODLする事を選ぶ理由には2つあります: 1つはその資産自身や技術を本当に信じているから。もう一つはHODLを長く続ければ、初期投資と運用によってもたらされた利益で長期的に回収でき、デイトレードよりも大きな割合の利益を得ることができるからです。
ホドラー(HODLer)の歴史
HODLという言葉は、2013年にRedditのビットコインフォーラムで起きた酔っぱらったメンバー間での会話がきっかけに広まったもので「何があっても手放さない」という意味を指します。当時中国政府が商品やサービスの売買にビットコインの使用を初めて禁止し、ビットコイン市場で弱気相場のニュースが流れた結果この言葉が生まれました。
この用語の語源者であるGameKyuubiが元々言いたかったことであろう「保有する(hold)」という単語のスペルを間違えたことにより、HODLとしてタイプミスがたちまち広まり有名になったのです。そして今では最も広く使われている仮想通貨投資用語の1つになっています。
HODLとは?
仮想通貨に初めて触れる人、ビットコインをググったことがある人、ツイッターを頻繁に見る人であれば誰もが「HODL」、「ビットコインをHODL」、「仮想通貨をHODLしよう」というような文面を見たことがあるのではないでしょうか。要するに「持ち続け絶対に売らない」、「何があっても手放さない」という意味です。
ここで興味深い点はGameKyuubiさんの投稿の最後に、彼の取引に対する哲学を示すような目を引く内容があったことです: 「このようなゼロサムゲームでは、あなたが売って初めてトレーダーはお金が稼げるんだ」。これはHODLする事の核となる考え方で、もしあなたが投資したものを売ってマーケットから離れている間に価値が上がってしまったのなら損をするのはあなただという事です。
HODLの仕方は?
HOLDの主な理論と志は、安く買い例え価格が上昇しても売りたくなる衝動に抵抗することです。方法はまさに「買って、積み立てて、HODLする」です。
取引 vs HODL: 運用効果がより大きいのは?
2020年と2018年に起きた仮想通貨市場暴落は、HODL投資戦略を裏付けるのに完璧な事例です。2017年12月、ビットコインの価格は$19,700に達しましたが2018年11月には$5,500の安値に下落しました。その後2018年から2020年半ばまでビットコインの価格は(多かれ少なかれ)$10,000以下で推移し、$10,000を突破することはほとんどありませんでした。しかし2020年夏には強気相場が始まりビットコインは6月の$10,000から2021年4月には$60,000にまで価格が上昇したのです。パラボリック状態になった結果、一部のデイトレーダーは儲かったものの同時にホドラー(HODLer)を除く多くの人がこれにより損をしました。
これがまさにHODLが勝る理由で、GameKyuubiさんが投稿した「私は下手なトレーダーだ、優秀なトレーダーなら高値と安値を見極め100万ドルを優に稼ぐことができるだろう」という言葉に繋がります。一部の人(主にプロ)は、デイトレードや市場のタイミングを見極めるのに優れています。しかし誰もがプロのトレーダーではありませんし、取引を実行する完璧なタイミングを見極めるため1日中チャートを分析することができるわけでもないのです。
したがってデイトレーダーは相場のタイミングを計ったりテクニカル指標で取引を行うことに全エネルギーを費やしていたのに対し、ディップで買い2018年から2020年を通じて蓄積していたホドラーはスイングトレーダーよりも利益を得ていた可能性が高いのです。
HODLはするべきか?
続く仮想通貨の強気相場、個人投資家の熱意、制度的採用の増加、そして経済は急速に「デジタル化」に向かっています。これらの事を踏まえると仮想通貨トレーダーや投資家はHODLするべきと言えるでしょう。
さらに通常の仮想通貨取引環境であれば、人はコインの価格変動に合わせてコインを売買することで利益を得ます。しかし実際はこの取引行為自体が仮想通貨市場を変動させるのです。これは仮想通貨市場が需要と供給の力によって大きく左右されるからです。需要が増えれば価格は上昇し売りの圧力が強まれば価格は下落します。トレーダーにとって毎回利益を最大化するために取引のタイミングを正確に計ることは決して楽なゲームではなく非常に困難なことです。一方、ホドラー(HODLer)として重要なのは市場の変動を一切無視し持ち続けることのみです。
HODLをやめるタイミングは?
やめ時は人それぞれです。一部の人は保有しているコインが満足のいく価値になるまでHODLしたら売却して利益を得るべきだと言います。しかしいつ何時も売った後に価格が上昇し続ける可能性があるのでもっと待てばよかったと後悔することになるかもしれません。
また一部の人は、一々売り戻す心配がなくなるので保有しているコインが完全に支出可能な通貨になるまでHODLすべきだと言います。代わりに持っているものをそのまま使えるようになるという事です。ここでのリスクは、すべてのコインが同じように作られているわけではない為どの仮想通貨も将来性や支出可能な通貨になり得れるかを保証できないことです。特に、世界中の多くの政府が開発を進めている新しい中央銀行デジタル通貨(CBDC)がこれに当てはまります。
ビットコインの場合、もし当初からコインを購入しHODLしていれば利益は計り知れません。幸いなことに、多くの人がビットコインはまだ初期段階であり今から投資を始めても遅くはないと考えています。
HODLする?しない?
人は常に以下のような疑問を抱いています: HODLはどのくらいすべきか。HODLすべきか利益を取るべきか。HODLかデイトレードどちらがいいのか。HODLすべきか売るべきか。HODLすべきかステーキングすべきか。
1 HODLすべきか利益を取るべきか
HODLすべきか利益を取るべきかで迷っているのなら、自身に次を問いかけてみてください: その仮想通貨の価格が将来的に上昇すると思えるか。もし答えが「思える」のであれば、あなたの投資戦略はHODLする方向に傾くはずです。
2 HODLかデイトレードか
HODLかデイトレードかで悩んでいるのなら、自身に次を問いかけてみてください: 自分は優れたデイトレーダーで市場のタイミングの見極めが得意であるか。さらにその仮想通貨は市況変動が激しいか。最初の問いかけに対する答えが「得意ではない」であり、2番目に対する答えが「激しい」のであればHODLすべきだと言えるでしょう。
3 HODLすべきか売るべきか
もしHODLすべきか売るべきかで悩んでいるのなら、自身に次を問いかけてみてください: その仮想通貨の価格が将来的に上昇すると思えるか。もし答えが「思える」のであればHODLすべきだと言えます。
4 HODLすべきかステーキングすべきか
もしあなたがHODLすべきかステーキング すべきかで悩んでいる投資家であるなら、自身に次を問いかけてみてください: HODLしている資産で利息を得たいのか。もし答えが「得たい」のであれば選んだコインを中央集権型取引所に預けれるステーキングサービスを見つけるか、DeFi関連よりのステーキングサービスに参加するのが良いでしょう。しかし特に後者のDeFiへの参加については、よりリスクが高く仮想通貨取引の上級者向けであることに注意が必要です。
HODLに最適なコインは?
HODLで投資したいコインを探す際は、トレーダーや投資家はまず特定の仮想通貨のチャートの過去データを見ることができます。下の画像にあるビットコインの過去データを見てみましょう。
例えばあなたが期待いっぱいのホドラー(HODLer)であったとし、2017年末から2018年初めに$19,700でビットコインを購入、2021年4月までHODLして約$63,500のピークで投資を売却したとします。その場合、初期投資に対して222%の増加を得たことになるのです。予測不可なためトレーダーが絶対的なピークでポジションを売ることはあまりないことを踏まえても、時間をかけてHODLすると通常はプラスのリターンを得ることができます。2017年末に$19,000で購入して2021年初頭に$40,000で売却したとしても、投資額に対して110%増の利益を得れたことになるのです。
結論としてHODLは多くの裕福な投資家、トレーダー、機関がそれぞれの運営に採用している投資戦略です。したがってあなたの運用にも取り入れるべきものだと言えます。仮想通貨への投資は高リスクが付き物のため弱気な人には向いていませんが、より大きな投資目標を達成する大きな一歩となるでしょう。