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3大資産運用会社が初のスポットHYPE ETF上場を目指し競争

重要ポイント

Bitwise、Grayscale、21SharesがHYPEの現物ETFを申請。HYPE価格は43.32ドルで、最新の申請では全社がアンカレッジを保管管理者に指定。主要運用会社の差異と今後の展開を解説。

暗号資産運用業界の主要3社が、分散型パーペチュアル取引所HyperliquidのネイティブトークンであるHYPEの初となるスポットETF上場を目指し、熾烈な競争を繰り広げています。Bitwiseは2025年9月にBHYPを申請し、Grayscaleは2026年3月にGHYPを追加、21Sharesは2026年4月14日にTHYPの2回目の修正申請を提出しました。3社ともナスダックまたはNYSE Arcaでの上場を目指し、いずれもアンカレッジ・デジタルを保管管理者に選定しています。HYPEは本日時点で約$43.32で推移し、週次で5.7%上昇しています。申請の再提出が続く背景には、発行体側がSECの判断が市場予想より近いと感じていることが挙げられます。

DeFiネイティブトークンが、BTCやETHの現物ETF承認以外で、これほど同時に機関投資家のETF関心を集めたのは今回が初めてです。ここでは各申請の内容、3社がアンカレッジ・デジタルに集約した理由、HYPE保有者が今後注目すべき点を分かりやすく整理します。

各社の申請内容と時系列

この競争は2025年9月、BitwiseがBHYPの初回S-1申請をNYSE Arcaに提出したことから静かに始まりました。その後、Bitwiseは2026年4月に最新S-1を再提出し、SECとの継続的な対話が示唆されています。Grayscaleは2026年3月にGHYPをナスダックへ申請、既存のBTC・ETH・SOL商品と並ぶETFラインナップに追加しました。21Sharesは2026年4月14日にTHYPの修正申請第2弾を提出、こちらもナスダック上場を目指しています。

3社とも基本構造は類似しており、HYPEを現物保有しスポット価格をトラッキングしつつ、何らかの形でStaking(ステーキング)収益へのエクスポージャーも付与しています。手数料体系やカストディ(保管)アレンジが主な違いとなっており、SECは通常コメント期間中にこの部分を重視します。

Bitwise BHYP: NYSE Arca上場、年率0.67%の管理費、アンカレッジ・デジタルによるカストディ。ステーキング収益の約85%をファンド内に残し、残りを投資家に還元する最も積極的な仕組みです。初回提出以降、S-1は複数回アップデートされています。

Grayscale GHYP: 当初はCoinbase Custodyをカストディアンとして申請しましたが、2026年4月20日にアンカレッジ・デジタル・バンクに変更しました。SECがステーキング型ETFに対し、連邦銀行型のカストディを重視していることがうかがえます。GHYPはGrayscaleの既存ETFネットワークを活用し、機関投資家への流通力が期待されます。

21Shares THYP: ナスダック上場予定で、アンカレッジ・デジタルバンクとBitGo Bank & Trustが共同でカストディを担当。ステーキング業務はFigmentに委託し、保有HYPEの30〜70%をアクティブにステーク、残りは償還用に流動状態で保持します。管理費は2%程度と報道されていますが、改訂中のため最終確定値を確認が必要です。

3社がアンカレッジに集約した理由

最も注目される点は、いずれの申請書にもアンカレッジ・デジタル・バンクが何らかの形で記載されたことです。グレースケールは当初Coinbase Custodyを予定していましたが、修正でアンカレッジに変更しました。アンカレッジはOCC(通貨監督庁)の連邦信託許可を持つ暗号資産ネイティブの唯一の機関であり、連邦銀行規制下で適格カストディアンとなれます。ステーキング型ETFでは、インベストメント・カンパニー法とカストディールールの両方を満たす必要があり、この連邦資格が重要視されています。

Coinbase CustodyはNY州の信託会社であり、既存のBTC・ETH現物ETFでは最も普及したカストディですが、連邦銀行資格はありません。純スポット型なら州信託会社でも問題ありませんが、ステーキング収益を得るETFの場合SECは連邦資格を事実上の要件とみているようです。GHYPがCoinbaseからアンカレッジに切り替わったのがその証左です。

21SharesはアンカレッジとBitGo両方を共同カストディとすることでリスク分散を図っています。BitGoも最近連邦信託権限を取得しており、2社体制でSECの要望に応えています。

ステーキング収益型ETFの仕組み

米国で承認された暗号資産ETFで、ステーキングを組み込んだものはこれまで存在しません。既存のBTC・ETH現物ETFもステーキングは行っていません。直近承認されたイーサリアムのステーキングETF(BlackRockやBitwise)は、原資産の一定割合しかロックしない制約モデルです。HYPEの申請はそれより踏み込んだ内容となっています。

Bitwise BHYPはステーキング収益の約85%をファンドの純資産価値(NAV)に組み入れ、残り15%は運用コスト等に充当します。これはクローズドエンドファンドの配当処理に近く、配当ではなく資産価値として利回りが反映されるため、米国保有者にとっては税務上の影響も生じます。

21SharesはFigment経由で30〜70%のHYPEをアクティブにステークし、残りは流動性確保のため未ステークで保持します。この流動性バッファは"償還時に原資産がアンボンディング期間中でロックされていた場合どうするか"というSECの大きな懸念に対する回答となっています。

Grayscaleは現時点で詳細なステーキング運用を開示していませんが、既存顧客基盤や低リスク志向から、保守的な構造になると見られています。アンカレッジに保管を切り替えたことから、アクティブステーキング型に移行する可能性も示唆されます。

HYPEへの関心の理由

Hyperliquidは一般的なアルトコインではなく、独自のHyperliquid Layer-1チェーン上に構築された主要分散型パーペチュアル取引所です。実際の手数料収入が発生しており、Phemexのリサーチによれば年間収入は6億7,600万ドルから8億4,300万ドルに達し、ステーブルコイン発行体を除いた暗号資産プロトコルで最高水準です。

その97%がアシスタンスファンドに帰属し、市場買戻しとバーンが日次で実行されるため、新規発行を上回る収益期にはHYPEはデフレ傾向となり、2026年第1四半期以降この状態が継続しています。大口保有者の累積もオンチェーンで観測されており、ETF修正申請の直前週にも複数の大規模追加が記録されています。

申請を行う運用会社はこれらの特徴を十分理解しています。ETFの需要は機関投資家が納得できるストーリーに従う傾向があり、「実収益+オンチェーン買戻し+ステーキング収益構造」は、従来のUNIやAAVE等のDeFiトークンにはなかった魅力です。ビットコインETFの資金流入モデルが、ついにDeFiネイティブ資産にも本格的に適用されようとしています。

ETF スポンサー 取引所 カストディ 申請日 手数料 ステーキング
BHYP Bitwise NYSE Arca Anchorage Digital 2025年9月 (S-1) 0.67% 約85%ファンド内留保
GHYP Grayscale Nasdaq Anchorage Digital Bank 2026年3月 未定 保守的
THYP 21Shares Nasdaq Anchorage+BitGo(共同) 2026年4月14日 (修正2) 約2%(未定) 30-70%をFigment経由でステーク

主なリスクと課題

HYPE ETFには、承認時期の不確実性、流動性規模(BTCやETHに比べると小さい)、そしてステーキング収益モデル自体の規制が未整備という3つの主なリスクがあります。BTC・ETH ETFは先物取引履歴やカストディ慣行、商品分類が明確でしたが、HYPEにはそれがありません。SECの判断時期は不透明で、具体的な日付を示すのは困難です。

HYPEの流動性もBTCやETHに比べると一桁小さく、大口のETF設定/償還注文に伴う市場インパクトが問題となる可能性があります。例えば、5,000万ドル分の設定注文で20%価格が動けば、マーケットメイカーは狭いスプレッドを提示しなくなり、ファンド価値との乖離(プレミアム/ディスカウント)が拡大します。十分な流動性確保が大前提です。

また、ETF内でのステーキング運用は新しい分野であり、SECも規制枠組みを策定中です。ETHBやBAVA型ETFで一定の開放性が示されていますが、HYPEは初のDeFiネイティブ型として、追加の情報開示要件等により審査期間が長引く可能性があります。

よくある質問

HYPE ETFの上場時期は?

承認日は発表されていませんが、修正版申請の頻度からSECとの積極的な対話が継続している様子がうかがえます。多くの専門家は2026年後半から2027年初頭を目安としています。

ETFを通じて直接ステーキングできますか?

いいえ。ETF内のステーキングはファンド運用会社が管理し、その収益はNAV(Bitwise型)として内部留保されるか、あるいは分配金(21Shares型の可能性)として投資家に配分されます。バリデーター選択やアンボンディング期間の管理はできず、管理費も発生します。

なぜ各社がアンカレッジ・デジタルを選ぶのですか?

アンカレッジは連邦OCC信託許可を有し、SECはこれをステーキング型ETFの実質的な条件として扱っているようです。Coinbase Custodyのような州信託会社は純スポット型では十分ですが、原資産ロックが伴う場合は連邦基準の方が明確です。

ETF上場前にHYPEを購入するべきですか?

HYPEは2024年後半に$10以下から現在$43まで値上がりしており、ETF期待による初期値上がりはすでに織り込まれています。実収益や買い戻しメカニズム、DEX取引高の上位といった基礎的な強さはありますが、現在の価格水準にはデフレ供給やETF関連の材料がすでに反映されています。ポートフォリオのサテライト(2〜5%割当)としての位置づけが適切です。

まとめ

総資産2,000億ドル超の3社が初のスポット型Hyperliquid ETF実現を目指し競争しています。3社ともアンカレッジ・デジタルをカストディに起用する流れは、SECがステーキング型商品の規制テンプレートを策定中であることを示唆します。今後は、S-1修正申請の進捗、機関投資家向けのHYPE現物流動性拡大、保管体制の最終調整などに注目です。

最初にSECコメントサイクルを突破した運用会社は、販売力・手数料・資産規模面で先行者メリットを享受します。Bitwiseは最長の申請履歴、Grayscaleは既存ETFネットワークによる機関投資家流通力、21Sharesは最も積極的なステーキング運用構造と、それぞれ特徴があります。承認タイミングが結果を大きく左右するため、現時点での順位付けよりも今後の動きが重要です。

本記事は情報提供のみを目的としており、金融や投資の助言を構成するものではありません。暗号資産取引には大きなリスクが伴います。投資判断は必ずご自身でご確認のうえ行ってください。

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