NFTオークションはユーザーがNFTを取得するための主要な方法の1つです。NFTオークションサイトでは単にNFTを選んで購入するのではなく、売り手と買い手がやり取りを行いNFTのオークション出品価格に合意する仕組みになっています。クリスティーズ(Christie’s)やサザビーズ(Sotheby’s)といった伝統的なアートギャラリーもNFTをカタログ掲載し、知られるNFTオークションを定期的に開催しています。
イーサリアムのインフラを支えるソフトウェア会社「Consensys」の分析によって仮想通貨ベースのアート作品は現在世界の全アート販売の10%を占めていることが明らかになりました。DappRadarの2021年業界レポートによると上位100のNFTコレクションの時価総額は減速の兆しがなく、メタバースプロジェクトが大きく市場シェアを獲得したことでも2021年後半に前月比で増加していることが示されています。
出典: DappRadar
NFTオークションとは?
NFTオークションではまず売り手が特定の期間について最低価格を設定します。買い手は最低価格以上であることを条件にNFTをいくらで購入したいかを入札することができます。その後、販売期間が終了するとNFTは最も高い入札者に売却されます。
(NFTの売買方法 出典:ideasoft.io)
NFTオークションサイトとは?
NFTオークションサイトは非代替性アート作品を販売するオンラインマーケットプレイスで、買い手はイーサリアムなどの仮想通貨を使って購入することができます。ほとんどのマーケットプレイスで取引手数料が発生し、アカウントを作成する必要がありますが作成自体は通常無料で可能です。
大手プラットフォーム & NFTマーケットプレイス
NFTを売買できる代表的なマーケットプレイスは以下の通りです。
- Nifty Gateway
- スーパーレア(SuperRare)
- Async Art
- MakersPlace
- KnownOrigin
- Foundation
- Zora
- オープンシー(OpenSea)
- ラリブル(Rarible)
- Mintable
- Mintbase
- Terra Virtua
- Institut
- アクシーインフィニティ(Axie Marketplace)
NFTオークションの仕組み
NFT取得のために必要とするETHの最低価格は「リザーブプライス(Reserve price)」と呼ばれます。コレクターはプラットフォームやマーケットプレイスでリザーブプライスを確認することができ、その額以下での入札は出来ません。
リザーブプライスを決定する際にはNFTの最終販売価格には15%のサービス料が加算される点に留意する必要があります。NFTのリザーブプライスに到達すると24時間のカウントダウンが始まり、その後自動的にオークションは終了します。カウントダウンタイマーは入札が完全になくなるまでカウントダウン最終15分間の間に入札されるごとに再び15分にリセットされます。
コレクターはリザーブプライスと同額またはそれ以上の入札を行う必要があります。そして最初の入札が行われると24時間制のオークションが開始されます。それ以降の入札は現在の入札額より10%高いか0.1ETH高いかのどちらか低い方でなければなりません。オークションへの関心を高めるため、SNSを屈指してより多くの入札を促進することも可能です。コレクターがリザーブプライスで入札を行った後、他の入札がない場合にはその作品はそのまま最初の入札者に売却されます。
延長はオークションの最終15分間に入札がない限り永遠に可能です。15分延長することで各購入希望者に最後の入札の機会を与えるとともに作品の市場価値を最大限に引き出すことができます。
これまでのNFTオークションの最大実績例
1 ビープル(Beeple)、 エブリデイズ-最初の5000日
6900万ドル、2021年3月、クリスティーズ
ビープル(Beeple)として知られるマイク・ウィンケルマン氏は、2021年初めにクリスティーズで「エブリデイ:最初の5000日」を6900万ドルで売却し、存命中のアーティストとして歴代最高額となりました。この売却はアート界の歴史を変革するものでした。作品が高値で取引されただけでなくアート界にNFTフィーバーを効果的に広めることとなったのです。
2 ビープル(Beeple)、クロスロード(Crossroads)
660万ドル、2021年2月、Nifty Gateway
2020年10月に行われたビープル初のNFT販売作品「The First Drop」では、最初の購入者はどのような作品を受け取れるのか見当もつきませんでした。というのもアメリカ大統領選の結果次第で2つのビジュアルが考えられたのです。投票が終わり、敗れたドナルド・トランプ大統領が裸で道端に落書きだらけで横たわっている絵が完成するとコレクターはその絵を最初の販売価格の100倍に跳ね上げました。
3 ビープル(Beeple)、オーシャンフロント(Ocean Front)
6百万ドル、2021年3月、Nifty Gateway
NFTとして制作された作品は「オーシャンフロント(Ocean Front)」と題され、現在の地球の気候変動への課題について語られています。海底から伸びる高台の上に置かれたトレーラーや輸送用コンテナの絵の上に木がそびえ立つ様子が描かれています。作家はこの絵の収益をNPO法人「オープン・アース・ファウンデーション(Open Earth Foundation)」に寄付することを表明しています。
まとめ
NFTへの関心が高まる中、人々の不安を解消することで新規ユーザーの参入を容易にし、可能な限り幅広い層の参加を可能にすることで分散化やセキュリティよりも拡張性を重視した「広い」アプローチをとるプラットフォームの数々は今後さらなる導入と成長を促進することとなるでしょう。