
- 第2四半期の収益:1198億ドル(前年比24%増)
- 四半期利益の大部分は、AnthropicとSpaceXへの持分での990.3億ドルの未実現利益によるもの
- Google Cloudの収益は82%増、営業利益は約3倍に
- 2026年度の設備投資見通しが1950~2050億ドルに引き上げられ、この点が株価下落の要因に
- 2026年7月23日木曜日午前、GOOGLは333.51ドル付近で取引
Alphabetは7月22日夜、第2四半期の収益が市場予想を約30億ドル上回ったと発表しましたが、翌日には株価が前日比約5%下落しました。詳細はNasdaqのGOOGLページで確認可能です。AlphabetはGoogleの親会社であり、Search、YouTube、Android、Google Cloudを運営していますが、決算内容自体からは下落理由が見当たりません。主な要因は設備投資(Capex)にあります。2026年度の設備投資見通しが、前四半期の1800~1900億ドルから1950~2050億ドルへ引き上げられ、アナリスト予想の1880億ドルを大きく上回ったため、市場はこの引き上げに反応しました。
利益面でも特殊な状況です。報告された純利益はほぼ4倍に増加しましたが、同時期にフリーキャッシュフローはマイナスとなっています。この乖離が本質的なポイントです。
Alphabetの発表内容と市場の予想比較
7月22日のリリースは、どの指標を見るかによって解釈が大きく異なります。下記表で主な数値を整理します。
| 指標 | 市場予想 | 実績 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1169.3億ドル | 1198億ドル(24%増) |
| 調整後EPS | 2.89ドル | 2.85ドル |
| GAAP EPS | 投資利益によりコンセンサスなし | 9.11ドル |
| Google広告収益 | n/a | 816.3億ドル |
| YouTube広告成長 | n/a | 前年比13% |
EPS(1株当たり利益)は2種類あり、どちらも正確な数値ですが内容が異なります。調整後EPSは投資損益を除外しており、予想より4セント下回りました。GAAP EPSは投資損益を含み高い数値となっています。どちらを重視するかによって評価が分かれます。
広告事業は安定して成長し、検索やその他広告で全体の24%成長を達成。YouTubeも二桁成長を維持しました。広告収益は大型投資の原資となっており、堅調な成長が続いています。詳細はAlphabetのSEC EDGARの8-Kファイリング、およびAlphabetの投資家向け情報サイトで確認できます。
990億ドルの未実現利益がもたらす影響
純利益は1121億ドルで、前年同期比298%増となりましたが、この数字には注意が必要です。
Fortuneの分析によると、この利益のうち990.3億ドルはAnthropicとSpaceXへの株式持分評価益(未実現利益)です。これは1株当たり約6.26ドルに相当し、上記EPSの差額にもなっています。会計上のルールで、Alphabetはこれらの株式を時価評価する必要があり、プライベート企業の資金調達で評価額が上昇すれば、その分が利益として計上されます。実際に現金収入があるわけではありません。
これは、売る予定のない不動産の評価額が上がったことで純資産が増える状況に似ています。帳簿上の利益であり、実際に売却しなければ現金化されません。したがって、実際の経営分析には調整後の利益が重視されます。
SpaceXは未上場のため、資金調達があるたびに評価額が変動します。SpaceX株の購入方法についてのガイドやStarlinkの評価ガイド、NVIDIA株の解説、Oracle株展望なども参考情報ですが、これら日本語記事は現在ありませんので、リンクは強調テキストのみで表現します。
また、今後評価額が下がると損失として逆流する可能性もあり、市場は本業の業績を重視します。
2050億ドルの設備投資上限が市場を警戒させた理由
四半期のキャッシュフローと合わせると、設備投資見通し引き上げのインパクトが分かります。Q2の設備投資は約449億ドル、フリーキャッシュフローはマイナス59億ドルとなりました。高い広告収益を誇る企業であっても、一時的なキャッシュフローのマイナスは警戒材料となります。
本質的な懸念は「今後の軌道」にあります。設備投資見通しが一度に150億ドル引き上げられ、これが今後数年間の減価償却費として経常利益を圧迫するため、投資家は慎重な姿勢をとっています。
この議論は、2024年7月20日付のAI設備投資論争の記事でも解説されています。ハイパースケーラー企業は前例のないペースで支出しており、投資回収への関心が高まっています。
支出の主な用途はデータセンター、土地、電力契約、半導体(自社TPUやNVIDIA GPU等)ですが、同様の設備を巡る競争もあります。米国の金融・法制度や規制動向も影響しており、成長企業に対して市場は厳しい評価をしています。
トレーダーにとって重要なのは今後の四半期決算で、ガイダンス修正後は実績(契約状況、サプライヤーコメント、新規受注数など)次第で評価が変わります。需要が新規設備を吸収していることが確認できれば、設備投資額も競争優位性として受け止められます。
クラウド事業の82%成長が投資論拠に
Google Cloudの収益は247.7億ドル(前年比82%増)で、営業利益は88億ドル(前年は28億ドル)となり、利益率は35.6%に達しました。急速な成長にもかかわらず高い利益率を維持しており、これまでの設備投資がすでに成果を上げていることが分かります。
設備投資議論で注目すべきはバックログ(受注残)です。バックログは、すでに契約済みで今後提供予定のサービス価値であり、中長期的な売上見通しとなります。Google Cloudのバックログは5140億ドル(前四半期比500億ドル増)で、約20四半期分の売上がすでに契約されています。これは、3ヶ月間で設備投資額以上の受注残が増えたことを意味します。
これにより、需要が既に契約済みであり、設備投資はそれに応えるためであることが示されます。
一方、バックログの収益化は顧客の利用ペース次第であり、詳細な転換ペースは非公開です。AI関連需要が減速すれば、過剰投資となるリスクも残ります。
よくある質問
決算発表後にGoogle株が下落した理由は?
Alphabetが通期の設備投資見通しを大幅に引き上げたことで、市場はAI関連支出の現金コストを懸念し、株を売却しました。収益自体は予想を上回っていました。
2026年第2四半期のAlphabet決算は市場予想を上回りましたか?
売上高は予想を上回り、調整後1株利益はわずかに届きませんでした。GAAPベースでは大きく上回りましたが、これは未実現の投資評価益によるものです。
Alphabetの利益のうちAnthropicとSpaceXが占める割合は?
ほぼ9割が、これら持分の評価額上昇による未実現利益です。資金調達により評価額が上昇したもので、現金の移動はありません。
2026年7月の株価下落後、Alphabet株は買い時ですか?
クラウド事業の受注残が設備投資を正当化するか否かが今後の焦点です。フリーキャッシュフローマイナスを懸念する売り方と、受注残を評価する買い方で見解が分かれており、今後数四半期の決算が判断材料となります。
まとめ
GOOGLは333ドル付近で、設備投資上限とクラウド受注残のどちらに重きを置くかが市場の注目点です。今後も受注残が増加し、設備投資が見通し内に収まれば、今回の下落はAI設備投資関連の一時的な調整として評価される可能性があります。反対に更なる設備投資上限の引き上げや受注残の伸び鈍化があれば、株価は上値が重くなるでしょう。次回の四半期決算と受注残が注目ポイントとなります。
本記事は情報提供のみを目的とし、投資アドバイスではありません。暗号資産取引には高いリスクが伴います。取引判断はご自身の調査の上で行ってください。






