分散型金融（DeFi）は、2020年夏（「DeFi Summer」として知られる）に人気が急上昇して以来、暗号資産業界の重要な柱となっています。DeFiは、イーサリアムやソラナなどのスマートコントラクトベースの暗号資産における最も発展し、議論された使用例の一つです。しかし、ブロックチェーン空間の他の展開と同様に、DeFiも2022年のFTX崩壊とその後の弱気相場の中で波乱の道を歩んできました。LUNAのような管理の悪いプロトコルが崩壊し、他のプレイヤーの価値と評判を低下させました。しかし、2024年第3四半期時点でもDeFiのTVL（総預け入れ価値）は1,600億ドル以上を維持しており、特に新トランプ政権がオンチェーンの実用的プロジェクトを優先する姿勢を見せる中、この分野に新たな光が当たっているようです。
2025年は、規制の明確化、メインストリームでの採用拡大、継続的な技術改善により、DeFiにとって転換点となる可能性があります。DeFiはニッチな実験から世界を変革する力へと進化する可能性がありますが、確かに課題は残っています。ChainlinkやAaveなどの主要DeFiプロジェクトの最近の好調な成績や、Hyperliquidなどの新規参入者が生み出す話題性を考えると、DeFiの展望を見直し、今後数年間でどのように形作られていくかを検討する時期に来ています。
トランプのWorld Liberty FinancialがDeFiに参入
2024年12月12日、次期米国大統領ドナルド・トランプの暗号資産プロジェクトWorld Liberty FinancialがDeFi分野に大規模な投資を行いました。オンチェーンデータによると、プロジェクトアドレスは1,000万ドルのETH、100万ドルのLINK、100万ドルのAAVEを購入しました。AAVEは暗号資産における主要な貸借プラットフォームであり、Chainlinkは他のDeFiプロトコルにリアルタイムデータを提供する最大のオラクルであることから、この動きは新政権のDeFiに対する前向きな見方を示唆しています。両アルトコインはトランプの動きを受けて24時間で約30%上昇しましたが、多くの既存のDeFiプロジェクトは、このニュース以前から既に復活の兆しを見せていました。これは短期的なニュースだけでなく、それぞれのチームによる継続的な開発が要因と考えられます。
AAVEの進展 - Aaveは分散型貸借プラットフォームで、ユーザーが所有する他の暗号資産を担保として使用することで、即座に暗号資産を借り入れることができます。また、ユーザーは自身の暗号資産を貸し出すことで、預け入れに対する利息を得ることができます。これらの活動はすべてスマートコントラクトを使用して行われるため、仲介者は存在しません。
このプロジェクトは、Consensysがサポートするzk-ロールアップネットワークであるLineaへの展開を含む、複数の技術的アップグレードを実施してきました。この統合は、Aaveのスケーラビリティを向上させ、より高いトランザクション処理能力と大幅に低い手数料を実現することを目指しています。
AAVEはまた最近、Balancerと協力して、後者の分散型取引所と自動ポートフォリオ管理プロトコルをアップグレードする計画を発表しました。さらに、AAVEのステーブルコインプールが高いAPY（年率換算利回り）を支払っていることからも分かるように、より多くの借り入れとレバレッジ取引が行われており、業界全体の強気な展開の恩恵を受けています。
Chainlinkの進展 - Chainlinkは最も優れた分散型オラクルネットワークとして、分散型アプリケーション（DApps）とブロックチェーンが、安全で信頼性の高いオフチェーンの実世界データにアクセスすることを可能にしています。ブロックチェーンのスマートコントラクトは通常、閉じたシステム内で動作するため、Chainlinkは実世界の外部情報と安全にやり取りする手段を提供しています。
Chainlinkに対する前向きな見方の多くは、オンチェーンとオフチェーンを接続するプロジェクトとしてのイメージに起因しています。その目的のため、このプロトコルは最近、ブロックチェーンを使用した企業データ報告を改善するために主要な金融機関とパートナーシップを結びました。Franklin Templeton、UBS、Wellington Managementなどの伝統的な金融界の中心的機関が協力機関に含まれています。
Chainlinkが最近好調な理由のもう一つの重要な点は、多くの人々がトークン化と実物資産（RWA）の将来性を信じており、Chainlinkのようなオラクルがそのプロセスに不可欠だと考えているためです。
Hyperliquid - DeFiの新イノベーション
Hyperliquidは無期限契約（パーペチュアル・コントラクト）の取引に特化した分散型取引所です。暗号資産デリバティブの高速トランザクションと高スループットのために特別に構築された、独自のレイヤー1ブロックチェーン上で運営されています。
DeFi空間には既に高性能なDEX（分散型取引所）が数多く存在しますが、Hyperliquidを際立たせているのはコミュニティを第一とするアプローチです。ベンチャーキャピタルの資金に依存する多くのプロジェクトとは異なり、Hyperliquidはよりコミュニティ主導のモデルを選択しました。
これは$HYPEのトークン生成イベント（Token Generation Event）で実証されました。このイベントでは、DeFiの歴史の中で最大規模のコミュニティ重視のエアドロップの一つを実施し、暗号資産業界全体に大きな反響を呼びました。
従来の取引所がオフチェーンの注文台帳に依存しているのとは異なり、Hyperliquidはビザンチン障害耐性（BFT）コンセンサスメカニズムを使用して、一貫したトランザクションの流れを維持しています。このコンセンサスアルゴリズムにより、一部のノードが悪意を持っていたり故障していたりしても、ノードのネットワークが合意に達することを可能にします。ネットワークのノードの75%が合意することでコンセンサスが達成され、安全で改ざん耐性のあるトランザクション処理が確保されます。
Hyperliquidチェーンは現在、パフォーマンスとレスポンスを維持しながら大量取引を可能にするため、1秒あたり最大20,000の操作（注文、キャンセル、清算を含む）をサポートしています。
HyperliquidのL1のもう一つの重要な利点は、フルスタックのカスタマイズ性です。開発者は外部フレームワークに依存することなく、特定のアプリケーション向けにプラットフォームをカスタマイズすることができます。この柔軟性により、より効率的で目的に特化した開発が可能になり、ブロックチェーンのアーキテクチャとパフォーマンスをより細かく制御することができます。
