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MRVLが8%下落、AVGOの余波で半導体セクターから1兆ドル消失

重要ポイント

MRVLは6月5日、AVGOのカスタムASIC事業の影響で8%下落。ナスダックは4%下落、半導体セクターは1兆ドル減。注目は6月18日のMRVL決算発表。

Marvell(MRVL)は6月5日(金)に8%下落し、AVGO(Broadcom)のカスタムASIC事業見直しの影響を最も大きく受けました。ナスダック全体では木曜と金曜の2日間で4%下落し、半導体セクター全体で約1兆ドルの時価総額が失われました。MRVLの下落幅が大きかった理由は、AVGOの決算で疑問視されたカスタムASIC事業がMRVLの成長の中心戦略であるためです。

5月初旬には、NVIDIAのジェンスン・ファンCEOがComputex基調講演でMarvellを「次の1兆ドル企業」として言及したことを受け、MRVL株はその日のうちに21%上昇しました。これはAWS Trainium、Google TPU、Meta MTIA各プログラムの順調な進行を織り込んだ株価水準でした。しかし、その大部分の上昇分は2日間で解消され、次の注目材料は6月18日の2025年度第1四半期決算発表となっています。この決算で現在の調整局面が継続か、それとも反発のきっかけとなるかが決まります。

なぜMRVLはインデックス以上に影響を受けたのか

もっとも単純な理由はビジネスモデルの重複です。MarvellのカスタムASICプログラムはBroadcomと同様、ハイパースケーラー顧客を対象にしています。AWS Trainium2、Google Axion系TPU、Meta MTIA推論アクセラレータはいずれも、MarvellやBroadcomが顧客と共同設計したアーキテクチャをTSMCが製造するモデルです。

AVGOの決算で、Hock Tan CEOが2027年のAI市場規模目標1,000億ドルを据え置いたことから、カスタムASIC分野全体で発注サイクルが一時的に停滞しているとの見方が広がりました。MRVLはAVGOよりも顧客依存度が高く、個々の案件が業績に与える影響も大きいため、同じ減速でもMRVL株の方が値下がりしやすい構造です。6月5日の8%下落はこの非対称性を織り込んだ動きといえます。

売却の多くは金曜日の寄り付き90分間で集中し、これはComputex後の上昇にポジションを乗せていた投資家の巻き戻しと一致しています。MarvellのIRページには直近で特別な開示はなく、これはファンダメンタルな問題ではなくポジション整理によるものだと考えられます。長期投資家の売りは限定的であり、次の大きな動きは6月18日の決算発表後になるとみられます。

Computexでの期待とAVGO決算の現実

ComputexでのNVIDIAファンCEOによるMarvell指名は、戦略的提携を示すものであり、発注の発表ではありませんでした。Marvellは次世代NVIDIAプラットフォームの重要な光学・ネットワーキングパートナーとされ、AIインフラストラクチャにおけるNVDA-MRVL連携が強調されました。そのため株価は大幅上昇しました。

しかしAVGO決算では、ハイパースケーラー向けカスタムASICの発注サイクルが2024年度第3四半期から第4四半期まで調整局面に入り、次の拡大は2027年出荷世代への仕様確定サイクル以降になると明かされました(Broadcom決算トランスクリプト参照)。この動きはMRVLの受注環境にもほぼそのまま当てはまります。

要するに、Computexでの成長ストーリー自体は継続していますが、次の業績加速のタイミングがやや後ろ倒しになったということです。2027年に向けたプログラムの進捗次第では、MRVLはカスタムASICだけで時価総額1,000億ドル超を目指すシナリオも依然残っていますが、市場はその達成時期を再評価しています。

6月18日決算が次のカタリストとなる理由

MRVLの2025年度第1四半期決算は6月18日引け後発表予定です(Marvell IRカレンダー参照)。この決算は、AVGOの調整局面を裏付けるものとなるか、あるいは部分的に払拭するかに注目が集まります。市場が特に注視するポイントは3つです。

1つ目は、カスタムASIC関連売上の全体売上に占める割合です。MRVLはAIインフラ事業が2027年度内に売上の50%を超えるとガイダンスしており、第1四半期の構成比はその進捗を図る重要指標です。

2つ目は、Trainium・TPU・MTIAプログラムの拡大ペースに関するガイダンスです。CEOのMatt Murphy氏は例年、プロジェクトごとの見通しを明確に述べており、今後の見通し次第で株価のバリュエーションも変動します。

3つ目は営業利益率の推移です。カスタムASICは立ち上げ期にはマージンが低めですが、高水準の販売量に到達すればマージン拡大が見込まれます。もしマージン拡大が進まない場合は、顧客との価格交渉力が低下している可能性を示唆します。

今回の決算は、AIエージェントとインフラ解説という広い文脈の中で、半導体セクター全体に対する資本集約ストーリーの一部となっています。

MRVLのサポート水準とカスタムASICの構造的強さ

6月5日時点でMRVL株は約70ドルで取引を終了しました。ここからのサポート水準は明確です。

66ドルが直近の注目水準で、これは5月初旬の揉み合いゾーンかつComputex後の新規エントリーポイントでもあります。66ドルを維持し、74ドルを回復する展開が理想的です。

58ドルは中長期のサポート水準で、2月の安値でもあります。66ドルを下回ると58ドルまでの下落も想定され、ここを保てるかが長期見通しの分岐点となります。58ドルを明確に下回れば、次の重要レベルは48ドルとなります。

カスタムASIC事業自体は構造的に健在です。ハイパースケーラーは独自半導体開発を継続し、単一製品サイクルで設計方針が覆ることはありません。MRVLは主要4社のうち3社案件に関与しており、ビジネスモデルに疑義はありません。現在市場が再評価しているのはバリュエーション(株価倍率)であり、事業モデルそのものではありません。調整局面では倍率が下がるものの、需要崩壊ではありません。

よくある質問

現状のMRVLは買い時ですか?

一般的に、6月18日の決算発表後に66ドル水準を維持できるかを確認してからのエントリーが慎重な姿勢です。決算発表前の購入は、CEOが前向きな見通しを示すかどうかに依存します。決算でカスタムASIC構成比が想定通りの場合、58ドル近辺での押し目買いはリスク・リターンが改善する場合もあります。

AVGOの調整局面はMRVLの売上にどう影響しますか?

調整局面により次の受注拡大サイクルが2~3四半期遅れる想定です。これによりMRVLの売上も2027年度まで従来予想を下回る可能性がありますが、総市場規模自体が縮小するわけではありません。MRVLが次の拡大局面に乗るタイミングが後ろ倒しになるイメージです。

MRVLはなぜ4社のハイパースケーラーに関与していますか?

MRVLはAWS、Google、Meta、Microsoft(Maiaシリコン提携の噂)案件を獲得しており、AVGOの取引先3社(Google、Meta、ByteDance)よりも範囲が広いです。このため通常環境では分散効果で下支えとなります。

強気シナリオが否定されるのはどのような場合ですか?

決算の売上・AIインフライミックスが想定を下回り、かつ58ドルを割り込んだ場合、中長期ベースが崩れ、48ドルまでの下落リスクが高まります。それ以外の場合は、調整局面が続くとしても長期的な成長ストーリーは維持されます。

まとめ

MRVLはAVGOのカスタムASIC事業の影響で8%下落し、Computex後の上昇分の大部分を2日間で失いました。ただしビジネス構造に大きな変化はなく、主要顧客との関係も維持されています。市場が見直しているのは次回の業績加速タイミングであり、6月18日の決算発表が今後を占う重要な材料となります。サポートレベルは66ドルと58ドルで、前者は短期取引、後者は中長期シナリオです。調整局面ではバリュエーションが圧縮されますが、事業自体が崩れるものではありません。

本記事は情報提供のみを目的としており、金融や投資の助言を構成するものではありません。暗号資産取引にはリスクが伴います。取引判断の際は必ずご自身で十分な調査を行ってください。

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