RPI（Retail Price Improvement）注文とは？

概要

Retail Price Improvement（RPI）注文は、小口トレーダー向けに流動性の質と価格効率を高めるために設計された特殊な注文タイプです。
RPI注文は非アルゴリズム参加者とだけ取引を行うため、公平な約定と透明性の高い取引環境を実現しつつ、市場全体の健全性も維持します。

マッチングルール

• 排他的マッチング：RPI注文は非アルゴリズムユーザーが出した注文とだけマッチされます。OpenAPI経由で出された注文とはマッチングしません。

• Post-Only動作：すべてのRPI注文は厳格にPost-Onlyとして扱われ、常にメイカー注文としてオーダーブックに流動性を提供します。

• 約定優先順位：RPI注文は、どのタイミングで発注された場合でも一番低い約定優先度となります。同一価格帯において他のすべての非RPI注文が約定した後にのみ約定します。

RPI注文の出し方

• RPI注文はOpenAPI経由でのみ発注できます。

  • APIリファレンスについては、以下のパラメータを使用してください：

    timeInForce = "RPIPostOnly"

• 承認済みのマーケットメイクパートナーのみがRPI注文を出すことが許可されています。

• 未承認ユーザーがRPI注文を発注しようとした場合、次のエラーメッセージが表示されます：

  「RPI注文は承認済みのマーケットメイカーのみ利用可能です。」

取引ルール

• 利用可能範囲：RPI注文は現在USDT-MおよびUSDC-M先物で利用できます。インバース先物および現物取引への対応は今後追加予定です。

• 注文タイプ：RPI注文はリミット注文として機能し、証拠金要件、注文サイズ上限、価格ティックルール等は通常のリミット注文と同様です。

• 柔軟性：RPI注文はバッチ発注、部分約定、価格・数量の修正、キャンセルに対応しています。

• 非互換性：RPI注文はストップロス・テイクプロフィット・ストップ注文等の条件付き注文と組み合わせることはできません。

• クロスオーダー制限：RPI注文は非RPI注文とクロス（買い注文価格が売り注文価格を上回る状態）することはできません。

注文の可視性

• APIオーダーブック：RPI注文はAPIのオーダーブックデータに含まれません。

• 取引画面のオーダーブック：

  • RPI注文は取引画面上には特別なラベルなしで通常通り表示されます。

  • ただし、クロスしたRPI注文（買い価格＞売り価格）はオーダーブックを整理するため自動的に非表示となります。

  • 非表示のRPI注文もマッチングエンジン上では有効であり、条件を満たせば約定可能です。

クロス注文とオーダーブック管理

クロスRPI注文が発生するのは、2つのRPI注文の価格が重なる場合（買い価格＞売り価格）です。
この場合：

• 両方の注文は取引画面上で非表示となりますが、マッチングエンジン上では有効状態が維持されます。

• RPI注文同士は、クロスしていても互いに約定しません。

例：

よくある質問（FAQ）

1. RPI注文を出せるのは誰ですか？
API経由でRPI注文を出せるのは承認済みのマーケットメイクパートナーのみです。未承認の場合、エラーメッセージが表示されます：

「RPI注文は承認済みのマーケットメイカーのみ利用可能です。」

2. RPI注文はオーダーブックに表示されますか？

• APIオーダーブック：❌ 非表示

• 取引画面オーダーブック：✅ 表示（クロスRPI注文は非表示）

3. RPI注文は即時約定しますか？
いいえ。RPI注文はPost-Onlyのメイカー注文で、流動性を提供する目的であり、直接流動性を取得するものではありません。

4. RPI取引のラベル表示は？
RPI取引はAPI注文履歴上で「RPIPostOnly」とラベル付けされ区別できますが、取引画面には特別なタグは表示されません。

まとめ

RPI注文は、小口トレーダーにとって価格改善の機会を提供しつつ、市場のバランスを維持する高度な流動性機能です。
非アルゴリズムフローとのみマッチし、Post-Only執行を徹底することで、Phemex上でより公平かつ透明性の高い取引体験を実現します。