
2026年7月16日と17日、Ondo Financeは、トークン化株式をデモ段階から一歩進める2つの動きを見せました。日本最大級の金融グループであるSBIと提携し、日本の資産のトークン化およびJPYSC(円建てステーブルコイン)による決済を実現。また同期間中、AMDやインテルを含む米国株10銘柄のトークン化株式について、24時間365日のミントと償還を新たに開始し、いつでも取引可能な資産が16銘柄に拡大しました。
Ondoは、実世界資産(RWA)のトークン化プラットフォームとしてマーケットリーダーであり、トークン化株式市場で約70%のシェア(約37.8億ドルのロック総額)を誇ります。ONDOトークン自体はこの動きに過度な反応を見せておらず、価格は0.345ドル付近で推移し、週末の静かな市場環境でやや調整しています。ビットコインは約64,811ドル、ETHは1,869ドル付近で推移しています。今回の事例は価格変動よりもインフラ面の進展が中心です。
- ONDO価格:約0.345ドルで週末にやや調整
- Ondoのトークン化株式シェア:市場の70%以上
- Ondo RWAロック総額:約37.8億ドル
- 24時間対応トークン化株式:16銘柄(従来の6銘柄から増加、AMD・インテルなど追加)
- 市場環境:BTC約64,811ドル、ETH約1,869ドル、アルトコインは弱含み
これら2つの発表は一見別々に見えますが、異なるアプローチで同じ課題に取り組んでいます。それぞれの内容と、なぜ両者が揃うことで大きな意義が生まれるのかを解説します。
OndoとSBIの合意内容
取引の構造に注目です。本件では、英領バージン諸島籍のOndo Global Marketsがトークン化商品を発行し、SBIが日本国内での規制下での販売、カストディ、決済を担当します。Ondoはオンチェーン発行エンジンを、SBIはライセンスや現地ネットワーク、規制対応インフラを提供し、暗号資産発行者単独では難しい体制を構築しています。
この分業がポイントです。日本は世界有数かつ厳格な規制が敷かれている金融市場であり、無許可の外国発行体が現地居住者に証券を販売することは認められていません。暗号資産企業は日本株を表現するトークンを発行できますが、規制パートナーなしでは日本投資家への販売やカストディはできません。SBIがこの役割を担うことで、単なる提携発表ではなく市場インフラの進展として見ることができます。
決済の詳細も重要です。取引の精算はJPYSC(円建てステーブルコイン)で行われ、資産側はトークン化株式、現金側は円ステーブルコインとなるため、全ての取引がオンチェーン内で完結します。従来の銀行送金を経由する必要がなく、実際の取引が既存トレーダーの利用するチェーン上で完結する点が大きな違いです。
24時間対応のミント/償還とは
2つ目の発表はより静かながらも構造的に大きな意味を持ちます。Ondoは米国株10銘柄(AMDやインテルなど)について、24時間365日のミント・償還を開始し、対象銘柄が16となりました。Ondoによれば、米国株式のオンチェーンでの24時間発行・償還に対応する初のプラットフォームとなります。
ここで重要なのは「一次発行」という概念です。ブロックチェーンは常時稼働しているため、3時でも二次市場でトークンを売買することは既に可能でした。しかし、新規トークン化株式の作成や償還(裏付けとなる現物株式の引き出し)は、これまで米国市場の取引時間に限定されていました。Ondoはイーサリアムでこれら商品を発行しており、この切り替えによりニューヨーク証券取引所が閉まっている間もミント・償還が可能となりました。
24時間一次発行がトークン化株式の最大の課題を解決
これまでこの分野の成長を制限していた最大の課題は、「トークナイズド株式が現物株価と連動すべき」という点です。その連動性を維持する裁定取引がキーとなります。トークン価格が現物株を上回ればトークンを償還して差額を得、下回れば現物株を担保にトークンを発行して裁定を行います。この継続的な発行と償還の圧力が価格連動の要です。
従来は現物市場が営業時間中しか動かず、トークンは24時間取引されていたため、裁定取引が一部の時間帯で機能しないという問題がありました。夜間などにはトークン価格が実際の株価から乖離しても、市場再開まで調整が効かない状況でした。ビットコインETFでも同様の仕組みが価格維持に使われていますが、トークン化株式の場合はそれが銀行営業時間に限定されていました。
24時間一次発行対応によって、裁定取引者はいつでもミントや償還ができるようになり、週末でも現物株価との連動を維持しやすくなります。これがトークン化株式を単なる実験的プロダクトから、実際の市場商品へと進化させるための基盤となります。
強気派と慎重派の見方
2つの発表を合わせてみると、トークン化株式市場がデモ段階から本格的な双方向マーケットへと進化しつつあることが分かります。先行するプラットフォームがさらにリードを拡大する動きとして評価されています。
一方で慎重派の指摘も存在し、公平に捉える必要があります。
| 強気派の視点 | 慎重派の視点 |
|---|---|
| 日本での規制パートナーによる流通 | トークン化株式の取引量は現物株市場に比べてまだ小規模 |
| 24時間一次発行で価格連動性が向上 | 24時間発行で現物市場が閉まっている時の価格妥当性に課題 |
| 円ステーブルコインによるオンチェーン決済 | BVI発行体+現地流通体の法的複雑性 |
| 市場シェア約70%のリーダーが優位性拡大 | 小規模市場でのリーダーに留まる可能性 |
どちらの主張も絶対的ではなく、両発表によってユーザビリティが格段に向上したのは事実です。昨年は多くが構想段階でしたが、現在はインフラ整備が進みつつあり、今後は取引量の拡大が継続性の鍵となります。
仮想通貨トレーダーにとっての注目ポイント
実世界資産、特にトークン化株式はオンチェーンファイナンスの中でも成長分野であり、Ondoがその先頭を走っています。トレーダーにとっては、現時点でトークン価格が軟調でも、これらの動きが重要です。流通の規制対応と市場の24時間化、この2点が揃ってこそ本格的な取引対象となります。
SBIとの提携が前者を、24時間発行対応が後者をカバーしており、この48時間で両輪が揃った形です。これはRWA分野にとって中長期的な前向き材料であり、カテゴリーリーダーの動向は今後も注視されます。トークン価格と事業進展は必ずしも一致せず、両者を分けて考えられるトレーダーが早期に動ける傾向にあります。
よくある質問
OndoとSBIは何を発表しましたか?
Ondo Financeは、日本の大手金融グループSBIと提携し、日本資産のトークン化とJPYSC(円建てステーブルコイン)での決済を開始しました。Ondo Global Marketsがトークン化商品を発行し、SBIが日本国内での規制下での流通・カストディ・決済を提供します。暗号資産ネイティブの発行基盤と、ライセンスを持つ現地パートナーの組み合わせが厳格な市場での実現を支えています。
JPYSCとは何ですか?
JPYSCは、これらトークン化取引の現金決済用に利用される円建てステーブルコインです。決済通貨がオンチェーン上にあるため、資産と資金の双方が同一システム内で動き、従来銀行経由の送金が不要となります。これにより取引全体がブロックチェーン上で完結します。
米国市場が閉まっている時もトークン化株式のミントや償還は可能ですか?
最新のアップデートにより、OndoはAMDやインテルを含む16銘柄のトークン化米国株について24時間365日のミント・償還に対応しています。慎重派が指摘する論点として、市場が閉まっている時間帯は参照となるリアルタイム価格が存在しないため、価格設定方法に議論が残ります。継続的発行により乖離は縮小しますが、完全な解決には至っていません。
今回の発表でONDOトークンは値上がりしましたか?
いいえ。ONDOは週末に0.345ドル付近で推移し、他のアルトコイン同様小幅に調整しています。今回の発表は長期的にはRWA分野にプラス材料ですが、短期的なトークン価格には直接反映されていません。
まとめ
今後注目すべきはONDOの短期的な価格変動ではなく、SBIによる規制下での流通開始と日本株取引のオンチェーン化、そして米国株トークンの24時間発行・償還の実現です。これらの進展が市場インフラを大きく前進させ、約70%のシェアを持つリーダーがどのような変化を見せるかを観察することが重要です。短期的なセンチメントに左右されず、中長期的な実需と取引量の増加が今後のポイントとなります。
本記事は情報提供のみを目的としており、金融アドバイス・投資助言ではありません。仮想通貨取引にはリスクが伴います。ご自身で十分な調査を行った上でご判断ください。




