
インテル(INTC)は2026年7月23日(木)の取引終了後に第2四半期決算を発表予定です。株価は約95.70ドルで推移しており、2026年の年初来で160%以上の上昇となっています。半年前、状況はまったく異なっていました。18Aプロセスノードの進捗は懸念材料であり、2026年後半や2027年まで商業的な生産歩留まりには到達しないという報道もありました。その上、AMDのデータセンターシェア拡大も重なり、株価は大きく下落しました。
しかし、現在はこのストーリーが大きく反転しています。かつてリスクと見なされていた製造部門が、現在では株式保有の理由になっており、今回の決算発表は経営陣がこの点を正式に説明する初めての機会となります。
- INTC株価水準:約95.70ドル
- 2026年のパフォーマンス:160%超の上昇
- 決算発表日:2026年7月23日(木)取引終了後
- 主要銘柄比較:NVDA 約203.48ドル、AMD 約503.10ドル、MU 約848.95ドル
- クリプト市場の状況:BTCは約64,785ドルで横ばい
ここでは、18Aに関するストーリーがどのように変わったのか、なぜASMLのマイルストーンが重視されるのか、そして株価が年初来160%上昇している今、経営陣にどのようなハードルが課されているのかを解説します。
3か月前の18Aストーリーの状況
18AプロセスはインテルがTSMCと再び肩を並べるための重要なノードとされていました。ゲートオールアラウンドトランジスタ設計やバックサイドパワーデリバリーを備え、ファウンドリビジネスの本格展開の鍵となる技術です。しかし、商業的な生産歩留まりが2026年後半以降にずれ込むとの報道により、顧客への信頼性を示せない状況が問題視され、ファウンドリ事業の成長ストーリーに影響を与えました。
このタイミングでAMDがデータセンター市場でシェア拡大を続けたため、株価下落の理由となりました。投資家は、巨額の設備投資計画が製造の進歩に裏打ちされていると期待していましたが、製造進捗が遅れるとの報道で懸念が再燃しました。インテルはこうした進捗遅延の歴史を持つため、市場は懐疑的でした。
今年に入り、同じストーリーに具体的な進展が現れたことで株価が上昇しています。
インテル18A歩留まりの変化
業界報道(インテル自身の公式発表ではありません)によると、18Aの歩留まりは前四半期の約65%から85%程度に向上したとされています。これらの数値はあくまで二次情報であり、インテルから公式に公開されたデータではありません。
仮にこの数字が事実であれば、インテルの歩留まりはTSMCのN2プロセス(約90%と報道)に次ぐ水準で、[サムスン](サムスン株式2026年のトレーダーポジション)を上回ります。65%のノードと85%のノードの差は、社内部品用か外部顧客へ提供できるかの違いです。歩留まりは動作するチップ1個あたりのコストを左右し、ファウンドリ顧客が最も重視する指標です。
現時点では、進捗の方向性は見えているものの、その規模は未確認です。パーセンテージよりも、インテル自身がノード戦略の運用を変えたこと自体が重要なシグナルとなります。
High-NA EUV生産適格化の意義
この反転の最も客観的な証拠はインテル自身ではなく、ASMLからもたらされました。ASMLは、インテルがHigh-NA EUV(次世代極端紫外線リソグラフィ)の生産適格化を最初に達成したチップメーカーであると発表しました。これは装置サプライヤー側の公式情報です。
High-NA EUV装置は、今後10年の最先端チップ生産の基盤となる機械であり、1台あたり約3億5000万ドル。購入自体は容易ですが、実際の製造現場で安定稼働させることが難しいとされます。生産適格化とは、研究レベルではなく実際の製造ラインで期待通りの成果が出たことを意味し、他社に先駆けてインテルが実現しました。
インテルの投資ストーリー全体が製造分野の巻き返しにかかっている中、サプライヤーによる第三者確認は非常に重い意味を持ちます。歩留まりグラフだけなら誰でも出せますが、競合他社にも装置を供給するベンダーが公表した事例は少数です。
また、インテルはNova Lakeを外部委託せず自社生産する計画も報じられています。主力半導体を自社プロセスに戻すという判断自体が、反転ストーリーと整合しています。
株価160%上昇後の課題
160%もの上昇はニュートラルな前提ではありません。今後はより高い期待値が織り込まれているため、今回の決算は半年以上にわたり積み上がった期待との比較となり、以前の低いハードルをクリアするだけでは不十分です。
また、歩留まりの具体的な数値は会社公式の確認が取れていません。経営陣の説明が業界報道よりも曖昧な場合は、慎重な見方のサインと受け止められる可能性があります。ファウンドリ顧客の獲得も、受注確定がなければ実現とは言えません。インテルは過去にも進捗発表後に遅延することがありました。
個人投資家にとって特に重要なのは、急騰後のリスク非対称性です。良いニュースは小幅の上昇、曖昧な説明は大きな下落につながりやすくなります。
半導体セクター全体の調整
今回の決算は、Moonshot AIのKimi K3リリース発表によってPHLX半導体指数が2026年7月17日(金)に弱気相場入りした直後に行われます。AI関連設備投資の効率性見直しによる全体的な下げがあり、[NVIDIA](NVIDIA株2026年)や[Micron](MU株2026年、Micron 1兆ドルクラブ)など広範囲に影響を及ぼしています(詳細はAI半導体株ローテーションを参照)。
インテルにとっては、設備投資不安による下落と製造回復ストーリーが逆方向の材料となります。需要が減少する場合、歩留まり改善だけでは対応できません。サーバー事業の需要の持続性が、今期の注目ポイントとなります。
クリプト市場(暗号資産)はこの動きに直接影響していません。BTC(ビットコイン)は約64,785ドルで推移し、半導体株のリスク選好には中立的です。
2026年7月23日(木)の注目ポイント
以下の3点が決算への反応を左右します。
| 注目点 | 重要な理由 | ポジティブ材料 |
|---|---|---|
| 18Aの歩留まりに関する説明 | 報道通りの進展を確認・否定する | 経営陣が進捗を定量的に説明 |
| ファウンドリ顧客の発表 | 技術力を収益化できるか | 名前付きの外部顧客、量産コミット |
| サーバー需要の持続性 | AI設備投資懸念に対する耐性 | Kimi K3発表後のガイダンス維持 |
歩留まりに関する説明が最も重要です。経営陣は必ずしも数値を公表する義務はありませんが、明確な数値が示されない場合、株価上昇後の不透明感につながりやすいです。詳細はインテルIRページやASMLのEUVリソグラフィ関連資料を参照ください。
よくある質問
Q2 2026インテル決算はいつ発表されますか?
2026年7月23日(木)取引終了後に発表予定です。今回は特に18Aに関する経営陣の説明が重要視されています。
インテルの18A歩留まりは85%で確定ですか?
現時点でインテル公式での数値発表はありません。約85%という数値は業界報道によるものであり、経営陣の説明があるまで方向性として参考にしてください。
High-NA EUV生産適格化とは?
次世代リソグラフィ装置が実際の製造工程で期待通り稼働したことを意味します。ASMLがインテルの達成を公表した点で、第三者による進捗の証左となっています。
決算前のINTC株は買い時ですか?
年初来160%上昇分がすでに織り込まれているかどうかが判断材料となります。製造面の進展は事実ですが、直前での新規取得は説明不十分な場合のリスクが高い点に留意が必要です。
まとめ
18Aストーリーはこの半年で大きく変わりました。ASMLによるHigh-NA適格化発表は第三者確認であり、従来より強いエビデンスです。この変化が株価水準にも反映されています。
ただし、この事実がハードルを下げるわけではありません。決算発表で歩留まりの進展が確認され、ファウンドリ顧客が明らかになれば一段高も期待できます。一方、歩留まりやサーバー需要に関し曖昧な説明となった場合は、株価が大きく調整する可能性もあります。
インテルは今年、外部証拠による評価を受けてきましたが、今回は初めて自らが明確に説明する番です。
本記事は情報提供のみを目的としており、金融または投資アドバイスを構成するものではありません。暗号資産の取引には高いリスクが伴います。取引判断は必ずご自身で調査の上ご判断ください。






