
Microsoftは水曜日の厳しい取引日を$390.54で終え、その後、2026年第4四半期の決算発表を受けて、アフターマーケットで8.13%上昇し$422.30となりました(7月29日)。Metaは同日$585.61で取引を終え、その1時間後に8%近く下落しました。両社とも、ダウが2.19%下落し2025年4月以来最悪となるセッションで決算を発表しました。FRBが9対3で金利据え置きを決定した影響もあり、その詳細は「Fedディセント」特集で解説しています。AI資本支出(AI capex)とは、MicrosoftやMetaのような企業が、AIモデルのトレーニングと運用のため、データセンター、チップ、電力、ネットワーキングに投資することを指し、両社ともこれまでにない規模で支出を拡大しています。昨夜これで報われたのは、片方だけでした。
この2社で明暗が分かれた理由こそ、現在の市場が「AI投資」に何を求めているかを如実に物語っており、今夜発表のAmazon決算でも基準となります。
Microsoftが4-6月期決算で報告した内容
Microsoftの2026年度第4四半期(会計年度2026年4-6月)は、そのQ4ラベルに反し実際には6月四半期の決算です。売上高は900.1億ドルでコンセンサスの876.2億ドルを上回り、前年同期比18%増となりました。Non-GAAP EPSはコンセンサス4.24ドルに対し4.74ドル、GAAP EPSも4.81ドルと、公式決算リリースに記載されている通り、全主要セグメントが予想を上回りました。
中でもAzureが大きく貢献。なお、Azureの成長率は報道ごとに異なる数字が流れていますが、第4四半期単体で43%成長、通年では41%成長で初めて年間売上高が1000億ドルを突破。現9月期ガイダンスもコンスタントカレンシー(恒常為替レート)ベースで約45%成長と、アナリスト予想の41.4%を大きく上回りました。AI構築開始から3年で成長率が加速している点が注目されます。
今後に注目されるのは、いわゆる「フォワード・ブック」です。商業向け未履行受注残高(Microsoftが契約済みも未提供の収益)は6780億ドルに達し、前年同期比84%増。OpenAI分を除いても25%成長を記録しています。CopilotはMicrosoft 365有料アカウントで3000万シート超、GitHubは5000万ユーザー超へ拡大。これらの普及が、データセンターレイヤーへの投資を正当化します。
市場が注目した410億ドルのCapex答弁
この四半期で最も注目されたのは売上高ではなく資本支出(capex)です。Microsoftは6月四半期に410億ドルを投じ、「400億ドル超」とのガイダンス通りの着地となりました。決算発表直前、このガイダンスは論争の的となっていました。Fed決定直後にMicrosoft決算の記事で指摘したように、タカ派相場でガイダンス超過の支出があれば売り圧力が高まるリスクがありました。しかし、結果はガイダンス通りで、市場は「規律的」と評価。計画通りの支出は、収益計算書で最も恐れられる項目を、経営陣の構築計画への信頼の証へと転化させます。これは今後さらに大きな資金調達を求める前に不可欠なクレディビリティです。
支出はさらに増加傾向にあります。CFOのAmy Hood氏は、次の四半期(2027年度第1四半期:2026年7-9月)の資本支出が500億ドル超に達する見通しだと述べました。この数字はあくまで四半期ベースであり、通年のガイダンスは発表されていません。Hood氏によると、9月期の売上高ガイダンスも89.85~90.95億ドルと、予想を上回りました。
Satya Nadella CEOはこのアプローチを「コスト・アウトカム曲線のフロンティアを押し上げる」と表現。これは、データセンターへの投資がすでに請求可能な需要に結びついていることを意味しています。実際、受注残やAzureの加速成長がそれを後押ししているため、市場もこの主張を素直に受け入れました。
Metaで実際に何が問題だったのか
アフターマーケットの値動きが示唆するほど、Metaの決算は弱くありませんでした。売上高は602億ドルで前年同期比28%増、コア広告事業は593億ドルとどちらも市場予想を上回りました(公式リリース参照)。問題は最終利益にあり、EPSは6.18ドルで、CNBC集計のコンセンサス7.22ドルを1ドル以上下回りました。この1株当たりのギャップが売りを呼んだのです。
大半の下振れは一時的な費用です。Metaは24億ドルの法的費用と、AIシフトに伴う約8000人のレイオフによる11.8億ドルの退職関連費用を計上、合わせて約36億ドルの特殊項目が次四半期には発生しない見込みです。Reality Labs(リアリティラボ)は別問題で、売上高4.31億ドルに対し、損失は46.2億ドル。こちらは構造的な赤字部門で、費用合計は前年比55%増加。臨時費用と恒久的な損失が重なり、力強い成長四半期が最終利益ミスへと転じました。
Metaはそもそも、AI投資プログラムへの市場の監視が最も厳しい企業でした。詳細はMeta株ガイドで解説しています。今回必要だったのは「支出懸念を払拭する決算」でしたが、結果はむしろ逆となりました。
MetaはそれでもCapexの下限を引き上げた
問題の支出自体について、Metaは一切動じませんでした。同社は2026年通年の資本支出レンジの下限を1300~1450億ドル(従来は1250~1450億ドル)に引き上げ、これは最低コミットメントを50億ドル増額することを意味します(公式リリースより確認)。市場が「裏付けない野心的投資」を嫌う夜にこの決断を示すという、明確なシグナルを発しました。経営陣としては、AIプログラムが交渉可能だと思われるくらいなら一晩の株価下落を選ぶという姿勢です。
マーク・ザッカーバーグCEOは、AIが「今まさに我々の主力ビジネスを加速させている」と主張し、「超知能を人々の手に直接届ける」という目標を改めて強調しました。アナリスト側からは、「もう少し辛抱強くあるべきか?」との意見も。Microsoftがその晩「忍耐」無用の決算を見せたのに対し、Metaは「待ちのコスト」を市場から指摘された格好です。
同じ日の同じ相場、しかし評価は正反対
どちらの値動きも、デリバティブディスク(オプション市場など)が予想した範囲を逸脱するものではありません。Benzingaのインプライドボラティリティによれば、Microsoftは約7%、Metaは約9%の決算後変動が想定されていました。つまり、予想されたレンジ内でそれぞれ上昇・下落。焦点は変動幅ではなく、その方向付けが決定的でした。
評価基準は表の通り明確です。
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企業
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コンセンサス対比
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資本支出(Capex)メッセージ
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アフターマーケット変動(7月29日)
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Microsoft
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売上・EPS・各セグメントでビート、特にAzureの加速
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四半期支出がガイダンスと完全一致
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+8.13%($422.30)
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Meta
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売上および広告は予想超、EPSは一時費用で1ドル下回る
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通年の下限を50億ドル引き上げ
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約8%下落
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表のポイントは明快です。AI資本支出(capex)が市場に評価されるのは、収益がすでに数値として顕在化している場合のみ。Microsoftはクラウドの成長加速や受注残、有料AIシートの拡大を示せるため、巨額支出が「受注対応」と見なされます。一方Metaは、広告事業や研究開発計画は優れていても、その成果が未来形で、現在の収益証明がないため、“待ちリスク”として即座に再評価されました。Metaの一時費用の詳細は本日別記事で詳述します。
2社のcapexを建設ローンに例えてみてください。Microsoftの「ビル」にはテナント(顧客)がすでに家賃を払い入居しているため、銀行はもっと良い条件で追加与信を快く承認します。Metaの「ビル」はテナント未入居の建設中で、「タカ派」な夜ほどローン条件が即座に見直されるという具合です。
この構図は2社だけにとどまりません。両社とも支出は鈍化しておらず、これはNVIDIA株アウトルックでも解説した通り、サプライヤー側の好循環となっています。また、未上場AIリース6620億ドル問題など、インフラ投資の経理外コスト議論も一層重要になっています。テストは24時間以内に再訪。今夜はAmazonが決算を控え、AWS成長が評価分かれ目となります──詳しくはAmazon・Microsoft決算事前特集へ。
よくある質問
なぜMicrosoft株は上昇したのですか?
Microsoftは売上高・利益ともに予想を上回り、クラウド事業も減速どころか加速を示しました。データセンター投資も計画通り正確に実行。市場はタカ派気配の中でCapexの上振れリスクを警戒していましたが、「予定通り」の数字で弱気の根拠を一掃しました。
なぜMeta株は下落したのですか?
MetaはEPS予想を1株あたり約1ドル下回った上、2026年の資本支出下限も同じ決算説明会で引き上げました。利益ミスの大半は一時的な法務・退職費用が要因でしたが、「新たな収益証明のないまま最小投資額が増える」リスクを市場は即座に織り込みました。
Metaは2026年AI分野にいくら投じているのですか?
Metaは2026年通年の資本支出を1300~1450億ドルとガイダンスし、第2四半期だけで310.8億ドルに到達。第3四半期の売上ガイダンスは610~640億ドル、通年の実効税率は15~17%とされ、インフラ投資が四半期売上高のほぼ半分にまで迫っています。
Microsoftの会計年度はいつ終わりますか?
Microsoftの会計年度は6月30日に終了します。したがって、2026年7月29日に発表された決算は2026年度Q4(4-6月期)となり、7-9月期のガイダンスが2027年度Q1となるのもこのためです。この仕組みは、初めて決算を読む方にはよく混乱のもとになります。
まとめ
AI資本支出の評価基準は一夜で変わりました。今は「売上証明」が基準です。AI投資が今期の売上増に直結していれば市場は次の投資も資金調達します。Microsoftがまさにそのケースでした。逆に、成果がロードマップ上に留まっている場合、同じ1ドルの資本支出でもリスクと再評価され、Metaがその直撃を受けました。今夜のAmazonもAWS成長によって同じ試練に直面します。Microsoftのアフターマーケットの上昇分が、通常取引時間でどこまで維持できるか要注目です──このタカ派相場では、何年ぶりの完璧な決算でさえ“日中”で評価が試されます。
本記事は情報提供のみを目的としたものであり、金融・投資アドバイスではありません。暗号資産取引には大きなリスクが伴います。投資判断は必ずご自身で十分に調査し、慎重に行ってください。
