
LeonidasはRunestoneの共同創設者であり、2年間にわたりBitcoinコミュニティ内で独自の利用方法を提唱してきた開発者です。DOGトークンの立ち上げやRunes標準の普及、Ordinalsエコシステム内での中心的役割など、彼の活動は多岐にわたります。2026年7月17日と18日には「DOGモード」という提案を行い、これに対する反応はこの分野の論争性を端的に示しています。
Leonidasは実名を公開していませんが、これはBitcoin開発の世界では一般的です。公開されているのは彼の実績と議論の記録のみであり、それ自体が彼を評価する材料となっています。
2026年7月20日現在の状況
- BTCは64,785ドル前後で推移、全体的に横ばい
- ETHは1,878ドル前後
- DOGモードは2026年7月17-18日に提案され、約2,500万ドル分のパディングが解放される可能性
- BIP-110(対立案のアンチスパム提案)は55%のマイナーシグナリングが必要だが、今期はほぼ進展なし
- Michael Saylorは2026年7月19日に110ポイントのエッセイを発表し、BIP-110の否決を呼びかけ
多くの読者はOrdinalsやRuneに触れたことがないため、Leonidasについて語る前にこのエコシステム自体を説明する必要があります。以下ではOrdinalsとRunesの基本、Leonidasがこれらの上に構築したもの、そして一つの手続き的な詳細が全体の争点になる理由を解説します。
Ordinalsとは(わかりやすく解説)
ビットコインを学ぶには2.1兆サトシという最小単位が存在します。Ordinals理論は、採掘順に各サトシに通し番号を付与し、それにより各サトシが区別可能になります。その番号付きサトシにはデータを紐付けられます。
このデータの紐付けを「インスクリプション」と呼びます。画像やテキスト、音声データ、その他任意のデータを直接ビットコイントランザクションに書き込むことができ、Ordinalsプロトコルのドキュメントには、データが特定のサトシにどのように結びつき、そのサトシが動く際にデータも一緒に移動する仕組みが記載されています。実用的には、スマートコントラクトや外部チェーンを介さず、ビットコインのブロック内だけで完結するコレクティブルを実現しています。サトシを所有すれば、その画像等も所有することになります。
これは[イーサリアム](リンク無し)上のNFTとは根本的に仕組みが異なります。NFTの場合、トークンは多くの場合外部サーバー上のファイルを指します。一方でOrdinalsは画像データ自体がブロックチェーン内に含まれるため、これが領域消費や手数料高騰に直結し、議論の種となっています。
Runesとは?新旧アプローチの違い
Ordinalsは唯一のアイテム(1つだけのNFT)を扱います。Runesは、各単位が同一で代替可能な「ファンジブルトークン(例:1ドル札)」の発行・管理を担います。
従来のトークン発行方法は、トークンの動作指示を一つ一つインスクリプションし、外部のインデクサーが記録管理する重厚なものでした。Runesはより軽量に設計され、トークンデータを効率的な形式で書き込み、残高もオンチェーンで追跡できるため、取引コストも大幅に低減されています。
この効率性は多くのユーザーの利用拡大につながり、賛否両論が生まれています。
RunestoneとLeonidasの役割
RunestoneはOrdinalsエコシステムで最大規模かつ広範囲に配布されたエアドロップの1つです。資金調達を機関投資家ではなく、幅広いウォレットに分配したことで、コミュニティの強い支持を得ました。LeonidasはRunestoneの共同創設者であり、このエアドロップから生まれたトークンのDOGも主導しました。
この広範囲な分配により、Leonidasは財務的な支配ではなく、コミュニティの支持を背景に影響力を持つようになりました。
なぜ議論が起きるのか
ビットコインは「ピアツーピア電子マネー」として設計されたという原点を重視する層は、インスクリプションがその理念に反すると見なします。ブロックサイズは有限であり、画像等のデータがスペースを占有すれば手数料が高騰し、通常の送金利用者にも影響が及びます。こうした批判派はインスクリプションを「スパム」と呼んでいます。
一方で、ブロックスペースは誰でも手数料を支払えば公平に利用できるものであり、用途による排除には中立性や検閲問題が生じるとする反論も存在します。また、インスクリプションの普及はマイナーの手数料収入増加にもつながったと指摘されています。
双方の主張は明確であり、この対立はすでに3年続いています。
DOGモード提案の内容
DOGモードはビットコインのルールを書き換えるのではなく、クライアントのリレーポリシーを変更するものです。これにより、ブロックサイズ近くまでのトランザクションを許可し、ダストリミット(最小出力額)を1サトシまで引き下げます。
従来、OrdinalsやRunesの取引はダストリミットを回避するために余分なパディング(追加サトシ)を付与していましたが、この多くがロックされて滞留していました。DOGモードにより約2,500万ドル相当のパディングが解放される見込みです。
また、DOGモードはBIP-110(非決済データ制限を目指すソフトフォーク提案)への対抗案でもあります。DOGモードがインスクリプションのコストを下げる一方、BIP-110は取引制限を強化するものです。
決着を左右する非対称性
両案の最大の違いは「実装の難易度」です。
| BIP-110 | DOGモード | |
|---|---|---|
| 変更種別 | ソフトフォーク(合意変更) | クライアント側リレーポリシー変更 |
| 必要支持率 | マイナー55%シグナリング | 1つのマイナーが導入すれば可 |
| 現在の進捗 | 今期ほぼ0%、過去も1%未満 | 該当せず |
| 効果 | 非決済データの制限 | パディング解放・大容量取引許可 |
ソフトフォークは広範な協調が不可欠ですが、BIP-110の55%条件は進展が見られません。リレーポリシー変更は1つのマイナーが導入すれば発動し、ネットワーク全体の合意は不要です。
Leonidasは従来の議論で劣勢に立たされていましたが、手続き面で突破口を見出しました。2026年7月19日にはMichael SaylorもBIP-110反対の長文エッセイを発表し、議論の流れに影響を与えています。
Leonidasへの批判は「ルール違反」ではありません。ネットワーク混雑による利用者負担増や、ガバナンス手続きを迂回する手法への懸念が主な論点です。この両者には解決しやすい反論はありません。
Ordinalsトークン複合体への影響
OrdinalsやRunes関連トークンは、こうした動向に直接的な影響を受けます。インスクリプションが容易になれば取引が増え、過去には市場価値上昇も見られました。BIP-110成立なら逆の効果が見込まれます。
ORDIはPhemexで取引可能な代表的トークンですが、DOGは未上場のため、ORDIがOrdinals関連テーマの代理的な銘柄となっています。両者の価格連動性は完全ではないため、取引時にはその点を考慮する必要があります。
現在、BTCを含む暗号資産全体の市況は静観ムードで、DeFi分野にも大きな動きは見られません。
よくある質問
ビットコインOrdinalsとは?
Ordinalsはすべてのサトシに通し番号を付け、そこに画像やテキストなどのデータを刻むことで、外部ホスティングや別チェーンを必要としないコレクティブルを実現します。
Leonidasは実名なのか?
Leonidasは匿名のハンドルであり、実名の公開はありません。Bitcoin開発の世界では珍しくなく、評価は彼の実績に基づいて行われます。
OrdinalsとRunesの違いは?
OrdinalsはNFT的な唯一無二のアイテム、Runesはすべての単位が同一のファンジブルトークンを担います。Runesは従来よりも低コストでの取引が可能です。
DOGモードは実現するのか?
BIP-110のような高い支持率は不要で、1つのマイナーがクライアントを導入すれば発動可能です。今後はどのマイナーが先陣を切るか、またその後のネットワークの反応が注目されます。
まとめ
議論よりもマイナーの行動に注視すべきです。BIP-110は現状進捗がなく、DOGモードは1つのオペレーターで実現可能です。最初のマイニングプールの支持表明が実際の転換点となるでしょう。
投資家視点としては、これは物語性に基づくテーマ変動と考えられ、ORDIはOrdinalsの代理資産である点に注意が必要です。ビットコイン自体がどう進化するかは、理念よりも「最小限の賛同で発動する変更」が実現しやすいことを示しています。
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。仮想通貨取引には高リスクが伴います。取引判断はご自身で調査の上、慎重に行ってください。
