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Intel株、Google TPU受注と日立AI協業で12%上昇—NVIDIA評価も後押し

重要ポイント

Intel株はGoogleのTPU受注、日立との5本柱協業、NVIDIAの評価という3つの材料で12%上昇。各動きの意味と今後への影響を解説します。

Intel株は1日で12.45%上昇し、111.79ドルで取引されました。この上昇は72時間以内に発表された3つの材料が重なったことによるものです。Googleは2028年にIntelの18Aプロセスノードで製造されるTPU(Tensor Processing Unit)を300万台発注し、生産状況次第では2027年と2028年に600万台以上へ拡大する可能性もあります。日立とIntelは6月5日に、ファウンドリー装置、量子コンピュータ、省エネ、カスタム半導体、エッジAI、工場自動化の5分野で包括的な戦略提携を発表しました。さらにNVIDIAは、今後のチップ生産に向けてIntelの先端パッケージングや18Aプロセスの評価を進めていることを公表しており、第3四半期に決定される見通しです。

INTC株の年初来上昇率は196%となり、2026年のS&P 500上位3銘柄に入っています。以下で各材料の意義と影響、技術的な節目について解説します。

GoogleのTPU受注が最重要材料である理由

GoogleのTPUは、Geminiモデルや検索順位付けシステムをはじめ、GoogleのAI業務の中核を担うカスタム半導体です。これまで先端ノードでの製造はほぼTSMCが独占していましたが、今回の300万台受注により2028年生産分がIntelのアリゾナ州Fab 52で18Aプロセスを用いて作られることになりました。生産歩留まり次第では2027~28年に600万台規模となる可能性もあります。

この受注は単なる大口契約以上の意味を持ちます。Intelのファウンドリー転換には実需要を伴う顧客が不可欠であり、Googleはその役割を担います。また、この契約は18AプロセスがTSMCの2nmプロセスと競合し得ることを顧客視点で証明するものであり、他の大手ファブレス(NVIDIA、AMD、Qualcomm、Apple等)にも重要なシグナルとなります。

6月6日にReutersが報じた後、IntelのIRページが契約の概要を認めました(財務詳細は非公開)。300万台分だけでも契約期間中の収益貢献は約40億~70億ドル、600万台ケースでは最大140億ドルに達します。

日立との協業がファウンドリー戦略を変える

6月5日に発表された日立との協業は、Google受注を補完するもので競合するものではありません。パートナーシップは5つの分野から構成されます。1つ目は18Aプロセス用の検査・計測装置の供給、2つ目は量子プロセッサの設計・パッケージング協業、3つ目はギガファクトリー規模の省エネ化、4つ目はエッジAI向けカスタム半導体、5つ目はグローバルな製造自動化です。

これら個別の成果が積み重なり、日立はIntelの生産体制全体に深く関与する立場となりました。また、日立の産業・エネルギー分野での日本およびアジアでの顧客基盤が、Intelの市場展開に寄与します。

協業は5年間の枠組みで、毎年の更新マイルストーンが設けられています。Google受注と合わせ、日立協業は現在のIntel株価再評価の2本柱となっています。

NVIDIA評価と今後の可能性

NVIDIAは従来、H100やB100シリーズ等の先端チップに関してTSMC専属顧客でしたが、TSMCのCoWoSアドバンストパッケージング能力が2024~25年の出荷ボトルネックとなっています。NVIDIAがIntelの先端パッケージングや18Aプロセスを本格的に評価していることは、まだ契約ではありませんが、これ自体がIntelファウンドリー戦略への信頼感を高める要素です。

決定時期は第3四半期と想定されます。仮にNVIDIAが一部でもIntelへの発注を決めれば、その収益インパクトはGoogle受注よりも大きくなる可能性があります。逆にNVIDIAが見送っても、Googleと日立の契機が引き続き株価を下支えします。

TSMCのCoWoS能力がAI半導体市場全体の制約要因となっている中、Intelが最先端の増設能力を持つことで、NVIDIAやAMD、Broadcom、Qualcomm等ファブレス各社の交渉力にも構造変化が生じます。

18Aプロセスの競争力比較

18AプロセスはRibbonFET(全方位ゲートトランジスタ)とPowerVia(裏面給電)を採用し、前世代と比較して密度・性能向上を実現しています。競合はTSMCのN2(2nm)プロセスとSamsungの2nm GAAプロセス(後者は歩留まり課題あり)です。

出典: TSMC

性能・電力効率ともにIntel 18AはTSMC N2と設計レベルで競合します。Googleによる大量発注は、Intelの歩留まりが顧客基準を満たしたことを示唆します。実際の量産データは2026年後半まで公表されませんが、Google契約はNDA下での十分なデータ開示と評価通過を示しています。

この動きは、他ファブレス顧客がIntelを検討する際の信頼性評価に大きく影響します。技術仕様は元々競争力がありましたが、量産実績が今後の最大の注目点となります。

INTCのテクニカル分析

INTCは111.79ドルで12%の上昇を記録しました。主なサポートラインは105ドル(直近の揉み合い水準、20日移動平均)であり、利益確定による105ドル付近の試しは想定内です。最初のレジスタンスは120ドルで、2024年後半の高値帯にあたります。週足で120ドルを明確に超えれば、次の供給ゾーンは130ドル、その後90日以内に145ドルを試す展開も考えられます。

100ドル割れは短期的なテクニカルシナリオを否定するものとなり、新たな評価が求められますが、現状の材料を踏まえると広範な市場ショックがなければ想定しにくい状況です。

よくある質問(FAQ)

GoogleのTPU受注による株価上昇はすでに織り込まれましたか?

一部は織り込まれています。300万台のケースは主に反映されていますが、600万台への拡大や他ファブレスへの波及効果までは十分に織り込まれていません。

NVIDIAの評価が契約に至らない可能性は?

構造的には可能性があります。NVIDIAの評価が即ち発注を意味するものではなく、TSMCも価格や生産枠の調整で対応する見込みです。アナリストの大勢は、2024年第3四半期までに一部発注があるものの主力はTSMCに残すと見ています。

Lip-Bu Tan(タン氏)の影響は大きいですか?

重要です。2025年3月のCEO交代で資本配分・顧客志向の経営体制が強化され、Google・日立案件にもその影響が現れています。Intel復活の文脈についてはこちら

強気シナリオに対する主なリスクは?

最大のリスクは18Aプロセスの歩留まりです。先端ノードの歩留まり確保は困難であり、遅延すれば収益計上が後ずれします。加えて、AI分野の設備投資鈍化による半導体需要全体の減速もリスク要因です。

まとめ

GoogleによるTPU受注、日立との協業、NVIDIAによる評価を受けて、INTC株は1日で12.45%上昇し、ファウンドリー戦略の顧客側評価が進展しました。18Aプロセスの大量生産において主要顧客の認定を得たことで、他ファブレス企業との交渉力にも変化が生じています。

週足で120ドルを超えれば130ドルが次の供給帯となり、90日以内に145ドルを目指す展開も視野に入ります。100ドル割れの場合は再評価が必要ですが、現時点の材料の多さからその可能性は限定的です。

本記事は情報提供のみを目的とし、投資や金融の助言ではありません。暗号資産取引にはリスクが伴います。取引判断はご自身で調査のうえご判断ください。

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