スイングトレードとは、様々なインジケーターを用いて数日から数週間単位で利益をあげるトレーディングの手法です。スイングトレーダーはファンダメンタル分析もしくはテクニカル分析を用いて、潜在的な価格の「スイング」の方向性やレングスを示す手がかりやシグナルを識別します。トレーダー達はそれに応じてポジションを公開し、動きが出るまで辛抱強く待つのです。
デイトレード vs. スイングトレード
スイングトレードとは、短期の有益な動きを示すチャートを常に分析する必要があるデイトレードとは異なり、時間と集中力がないトレーダーにオススメの戦略です。デイトレーダーは一晩でのエクスポージャーを避けるために1日でトレードを完結させます。
一方で、スイングトレーダーによって識別された市場の動きは完結するまでに数日から数週間かかる可能性があります。これがスイングトレードの1番の特徴です。スイングトレーダーが短中期間(数日から数週間)で利益をあげようと試みるのに対し、デイトレーダーはポジ筠の出入りを数時間、もしくはそれ以下のうちに行います。つまりスイングトレードは、そこまで積極的ではないものの、他の手法と同じように利益をあげることができる戦略なのです。
バイ・アンド・ホールド vs. スイングトレード
仮想通貨を購入し保持するには、プロジェクトの本質的な価値に対しての信頼と忍耐が必要とされる長期的な投資戦略です。スイングトレーダーの予測が実現するまでには数日かかりますが、彼らは仮想通貨市場の長期的な潜在価値に関わらず正誤が明らかになるまでポジションを維持しようとします。
どちらのタイプのトレーダーも、短期的な価格の変化に関わらず冷静さを保ち自分の分析を信頼するという大原則を身につけなければなりません。デイトレーディングと比べると、これらの2つの戦略は長期的なターゲットを持つものの、日々のリスクに晒されています。しかしながら、これらのトレーダーはアクティブな監視と細かなトレーディングを必要としないため、新規のトレーダーにとってはストレスの少ない戦略になります。
ビットコインのスイングトレードの方法
スイングトレーダーになるためのファーストステップは、市場分析を学ぶことです。他の投資戦略同様、これはある程度の時間と努力が必要になります。トレーダーは大きな動きを示唆するシグナルによって通貨を識別するために、チャートやパターンの分析に精通していなければなりません。
ファンダメンタル分析とテクニカル分析はトレーダーがこのような機会を用いるための手法です。
ファンダメンタル分析は資産を取り巻く情報や出来事、その他ミクロ経済的要因を捉えることに重きをおいたアプローチです。例えば、イーサリアムに関心を示しているトレーダーはありとあらゆる関連情報を提起的にチェックしています。最近新たなPoWコンセンサスプロトコルを採用したというイーサリアムの進展はアクション可能なシグナルの完璧な例と言えるでしょう。多くの人は、このような動きがあればイーサリアムの価格は上がるのではないかと主張するでしょう。総合的に考えると、ファンダメンタル分析ではトレーダーはプロジェクトの構造やイノベーション、ニュースをより深く理解する必要があるでしょう。資産に関する知識があればあるほど、より正確に将来の動きを予測できるのです。
一方、テクニカル分析は資産価値に関連したアクション可能のシグナルのみに対応しています。言い換えると、テクニカル分析はプロジェクトの構造や管理などのミクロ、マクロ経済的要因を全く反映していません。テクニカル分析は価格の方向性についての手がかりを与えてくれるチャートやインジケーターを厳格にチェックするのみです。スイングトレーダーは資産を評価するためにどちらのアプローチも使うことができますが、ほとんどがテクニカル分析を用いています。
スイングトレードに有効なテクニカルインジケーター
以下は、代表的な将来の価格変動を予測するテクニカルインジケーターです。
移動平均線
このテクニカルインジケーターは一定期間の資産価値の動きを調べ、価格変動の平均を明らかにします。チャート上では移動平均は、ランダムな価格変動ではなく、スムーズな動きを1本の線で表しています。最も有名なものは200日、100日、50日移動平均線です。複数の移動平均線を組み合わせることで、価格の大きな変化やスイングの到来を予測することができます。例えば、もしビットコインの50日、200日移動平均線の両方が着実に上がっていた状態から急に50日移動平均線が下降し200日移動平均線と交わった場合、二本の線の交点はシグナルと捉えることができます。この場合だと、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下回って交わった時、ベアリッシュの動きが生み出されます。同様に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を超えたときはブリッシュのシグナルが生み出されます。
相対力指数(RSI)
市場動向は売買のサイクルによって特徴付けられます。相対力指数(RSI)は市場が買われ過ぎもしくは売られ過ぎの状態の時に描かれます。一般的には、市場が買われ過ぎの状態の時、多くの人は市場が落ち着くのを期待し、その動きとは逆の行動を取ります。逆も然りです。テクニカル分析において、価格のモメンタムとは資産が買われたり売られたりする速度のことをさします。RSIは価格変動の規模と速度を測定するため、モメンタムオシレーターにも分類されます。
出来高インジケーター
オン・バランス・ボリューム(OBV)などの出来高インジケーターは出来高の流れから価格変動を予測します。OBVは資産価値が個人投資家と機関投資家の売買の量によって決定されるという基本原理を基に形成されています。個人投資家がパニック相場で資産を売ると、機関投資家は大量に資産を買います。価格はしばらく横ばいになるかもしれませんが、取引量が多くなるとそれに反応して上がります。価格がピークに達すると、機関投資家が大量に売却して価格の下落が起きますが、個人投資家は上昇トレンドを捉えることを期待して殺到します。このインジケーターはボリュームヒストグラムと一緒に使用することで、現在の資産の関心度を計測することができます。ボリュームヒストグラムの2つの頂点を結ぶ線がスロープ(上向きもしくは下向き)を形成した場合、市場は新たな方向にスイングする可能性があります。
スイングトレード戦略
スイングトレードを効果的にするには、適切なツールやインジケーターだけではなく、適切な戦略も必要です。
ブレイクアウト戦略
この戦略では急な市場の上昇トレンドのシグナルを検知するために、出来高データや移動平均などのインジケーターを利用する必要があります。トレーダーはおそらく価格が重要なレジスタンスレベルを突破するとともにポジションを取り、ピークまでその状態を保持します。上昇トレンドは数日間続くこともあるので、スイングトレーダーはイグジットに最適なポイントを見極めるため常に集中しておかなければなりません。
ブレイクダウン戦略
ブレイクダウン戦略とは、価格が暴落する直前にショートポジションをとったり、イグジットを行う戦略です。またこの戦略はブレイクアウトのダウンサイドとしても知られており、本質的には上記のブレイクアウト戦略の反対になります。
リトレースメント戦略
リトレースメント戦略は価格が1時的に反転する瞬間を検知します。この戦略はトレンドの中のトレンドであると考えてください。RSIは価格が反転し始めるポイントを提示することができるので、この戦略に適したインジケーターであると言えるでしょう。これらのリバーサルは一時的なものであるため、スイングトレーダーはポジションを移動したり、イグジットの際に判断する必要があります。
リバーサルトレーディング
リバーサルトレーディング戦略は、比較的高い一連の高値と安値が下落トレンドに反転した時に用いられます。(またはその逆)価格が移動平均を下回った場合、それはリバーサルの前兆を示しています。
スイングトレーダーになるには?
スイングトレードは忍耐力と控えめなアプローチが必要とされるので、全ての時間をトレーディングに費やせない人に最適です。予測された動きやトレードが完了するまでに数週間かかることを考えると、スイングトレーダーはフルタイムの仕事を同時にこなすことも可能でしょう。しかしより速い成果を求める人には、デイトレーディングもしくはスキャルピングの方が向いているかもしれません。仮想通貨の不安定な性質から、スイングトレーダーはどのようなポジションに入るにも慎重に市場を分析する必要があります。真の成功を得るためには、多くの時間をリサーチ、訓練、そして改善に費やす必要があるでしょう。