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ショートスクイズとは?

2021-03-29 06:23:02

トレーディングの世界において最も頻繁に使われる単語の1つに「リスク」があります。資産運用にはある程度のリスクがつきものですが、正しい洞察があれば、スキルを身につけているトレーダーは市場の状況にかかわらず利益を上げることができます。ショートとは資産の減価に賭ける手法であり、資産を借りて売り、その後より安い価格帯で買い直して資産を回収するという手法です。金利を差し引いた残りの金額が利益となります。

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空売り(ショートとは)?

空売り(ショート)とは一般的なトレーディングの手法であり、トレーダーと企業の両者は常にこれに気を配っています。売れるとわかっている投資は、ホールドしておく価値があります。また、もし資産の評価が下がりそうであればトレーダーたちは空売りをします。GameStop社は最近S&P500で最も空売りをされている企業だと報じられましたが、主な原因はコロナウイルスによる顧客の店舗離れに耐えられないという風に判断をされたことでした。

これは仮想通貨においても同じです。規制当局がKYC要件を厳格化し、匿名での取引を禁止しているため、プライバシートークンを取り巻く環境はかなり厳しいものとなっています。ブロックチェーンにおいておそらく最も優勢なプライバシー通貨であるMoneroでのショートの数は、2020年中盤以降増加し続けています。Datamishによると、現在ショートの数はロングの3倍であり、そのほとんどがヘッジされていません。

しかし、市場がトレーダーの予測に従わず資産価値が上昇した場合、トレーダーは冷静な判断を欠き、損失を最小限に抑えるために再び購入してしまうでしょう。特に仮想通貨においては、通常デリバティブ取引を用いることで比較的簡単にショートを行うことができ、有効期限もあるためトレーダーは迅速に行動する必要があります。

ショートスクイズとは?

急な市場変動の間は、ショートセラーは資産を一気に再購入し、価格上昇のモメンタムを生み出します。これはショートセラー達を市場から絞り出し、基本的には損失を引き起こします。過去最高値の6%まで下落したGameStopの株価は2020年9月からショートスクイズによって上昇し、その後数ヶ月で数十倍に成長しました。ショートスクイズは非常に強力です。2008年には、ショートスクイズによってヴォルフスワーゲンの株価がたった2日で5倍も上昇し、一瞬にして世界で最も価値のある企業となりました。

それは何の予兆もなく訪れ、全ての人に容赦無く襲いかかります。空売り残高は18%のテスラは2019年後半から2020年前半にかけて400%上昇し、ショートセラーは合計80億ドル以上の損失を被りました。しかし、3月の景気後退によりわずか数日で500億ドルの利益を取り戻しました。ショートスクイズは非常に危険な状態であり、これに対処するには知識と経験の両方が備わっている必要があります。この記事を読み終われば、あなたもショートスクイズにうまく対処できるようになるかもしれません。

ショートスクイズは善か悪か?

投資家が資産の減価償却についてどれだけ詳しいかにかかわらず、ショートポジションは新製品の発表や些細なニュースによってあっという間に消えてしまいます。このような変化は一時的なものかもしれませんが、放っておくと大きな損失に繋がり完全に清算されてしまう可能性もあります。

ショートスクイズの原因とは?

ショートセラー達はショートスクイズによって買い戻しを迫られ、価格上昇を引き起こし、さらに多くのショートに影響を及ぼします。またショートスクイズは、ショートセラーのリクイディティによる供給の崩壊や需要過多によって引き起こされる場合もあります。

ショートスクイズに巻き込まれると壊滅的な被害を受ける可能性が高く、そのような状況を回避する方法は全てのショートポジションにハードストップをかけることです。これにより、急な市場変動から資産を守ることができます。

ショートスクイズを予測する方法とは?

ショートスクイズを正確に予測することは事実上不可能ですが、大量にショートされている資産をトレースすることにより、トレーダーはショートスクイズが発生したときに素早く対処することができます。このような状況下では、モメンタムアセットのように保有資産を取引することもできますが、変動が非常に激しいため、小さい規模から始めることが重要です。

最初に観察すべき指標は、ショートの回数を発行済株式数で割った資産の空売り比率です。これはパーセンテージで表示され、数値が高いほどスクイズの状況で争うことになるショートセラーの数が多いことを示します。急な空売り残高の増加や減少は非常にわかりやすいものです。たとえ空売り残高が10%上昇しても市場の10分の1が資産の空売りに向かっていることを示し、これは十分なシグナルとなります。

強気の投資家は空売り残高が高い状況を、モメンタムの急激な変化から利益を得る機会であると判断します。スクイズの際には、ショートセラーは借りていた資産を急いで交換しようとし、供給量を減らします。ショートスクイズは時価総額の小さい資産で起こることが多いため、このような状況では供給のボトルネックがすぐに発生します。

空売り比率がいつ通常の数値を超えたかを観察することによって、市場動向をトレースすることができます。これは、ショートの総数を1日の資産の平均取引量で割ることで算出できます。この指標が範囲の下限を下回った場合、資産が過大評価されていることや、価格が安定しているために空売りが市場から退出していることが予測されます。

この上限を超えて上昇すると一般的に投資家が弱気になったことを意味し、非常に高い測定値はショートスクイズの到来を予兆しています。これにより気まぐれな投資家がその資産をさらに購入し、価格がさらに上昇する可能性があります。

最後の一滴

逆張り投資家(一般的な傾向に逆らう投資家)はショートスクイズを利用して、ショートの多い資産を定期的に購入します。ショートスクイズで利益を得ることは非常に魅力的ですが、もちろんそれにはリスクが伴います。場合によっては、ショートは資産の価値を正しく捉えている可能性もありますし、急激な上昇は一時的なものかもしれません。

アクティブなトレーダーはショートの多い資産を判断して、スクイズが始まるとすぐにエントリーすることが一般的です。しかし、大量にショートした後にショートスクイズをした銘柄はたくさんありますが、ショートをし続けても価値が下がり続ける資産もあります。

ショートの割合が高いからといって必ずしもスクイズになるとは限らず、通常は市場の大部分がその資産を過大評価していることを示すだけです。また市場の大部分がその資産の価値が下がると考えているため、ショートだけを頼りにその資産に投資することは優れた判断とは言えないでしょう。しかし他の指標と組み合わせることによって、ショートの高い資産を取引することは非常に有益になります。

例えば空売り残高が20%で、空売り比率(カバーする日数)が5の資産を考えてみましょう。これは、ショートを行った人が資産を全て買い戻すのに5日間かかるということを意味しています。突然の製品発表やニュースで資産の価格が上昇した場合、ショートを行なっていた多くの人がポジションを清算しなければならず、中でも最も低い価格でショートを行なっていた人は最も厳しい打撃を受けることになります。

ショートスクイズv.s. ロングスクイズ

同様に、ロングスクイズは資産の価値が急激に下落し売り圧力が強まることで、資産を守るためにロングポジションの人が市場から締め出される場合に起こります。ロング・スクイズはショート・スクイズに比べて人気がありませんが、小規模でリクイディティの低い市場では決断力のある投資家やパニックに陥った投資家が高いボラティリティレベルを生み出すためロングスクイズが発生します。

これはショートスクイズがショートを強制的に清算させるのに対し、ロングスクイズはロングホルダーがポジションを放棄する状態に誘導する必要があるためです。ロングスクイズは、基本原理に基づくものではなく、条件によって非常に短期間であったり、非常に長期間であったりします。価格が下がりすぎると、売られすぎのシグナルを受け取った短期投資家は、通常資産を買い戻します。

リクイディティがある場合は、需要と供給のようなテクニカルな統計を念頭におくことが重要です。積極的に成長している銘柄は一般的にロングスクイズの影響を受けやすく、特に出来高が非常に多い場合は注意が必要です。このようなスクイズに対処するには、資産価値への投資に集中することがベストな方法です。割安な資産はよほど合理的な理由がない限り、通常は回復します。

自動取引システムの台頭により、botは流動性の低い市場に素早く入り込み、ロングスクイズとショートスクイズの両方を利用して利益を得ることができるようになりました。大規模なプレイヤーは、時価総額が限られた資産を簡単に操作し、カスケード効果で価格をどちらかの方向に誘導することができます。

仮想通貨におけるショートスクイズ

昨年6月、ビットコインはわずか1日で9,500ドル以下から4カ月ぶりの高値である10,400ドル近くまで跳ね上がり、市場を驚愕させました。それがきっかけとなり、BitMEXでは2019年10月以来の最高数の清算が行われ、1億3300万ドルという驚異的な金額となりました。4億3,000万ドル相当以上のビットコインのショートが24時間以内にすべてのプラットフォームで清算され、そのほとんどがビットコインが10,000ドルを超えた後の1時間で発生しました。

ショートスクイズは一時的に供給が不足しているときに、トレーダーが無理やり需要を急増させることで起こります。この現象は、リクイディティの低い市場ではボラティリティーを著しく増大させる可能性があります。また、空売り残高が大きければ大きいほど、空売りを市場から強制的に排除することが容易になります。

とはいえ、ショートスクイズはどのような種類の金融市場でも起こる可能性があり、たとえ時価総額の大きいリクイディティの高い資産であっても同様です。ビットコインのリクイディティは、特に伝統的な株や株式ほど高くはありませんが、BTCが最近40,000ドル前後まで上昇したことで、ビットコインの時価総額は1兆ドルを超えました。

仮想通貨市場でいうと、主にビットコイン市場でショートスクイズが頻繁に発生します。ビットコインのデリバティブ市場の中には、高レバレッジのポジションを使用しているところもあり、比較的小さな価格変動でも清算されてしまうことがあります。仮想通貨のように変動の激しい市場で清算されないようにするための最善の方法は、使用しているレバレッジの量を管理し、より優れたリスク管理戦略を利用することです。

まとめ

そのため、やみくもな理由でショートをしていないのであれば、ショートスクイズは恐れるべきものではありません。様々な指標やオシレーターからの適切なシグナルと、問題となっている資産の状態に関する洞察力があれば、ショートスクイズはあなたが正しい側にいる限り、利益を得る機会に他なりません。


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