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2025年最新版: 仮想通貨の時価総額/TVL比率 完全ガイド・計算式と活用例

時価総額とTVLの比率(MC/TVL)は、DeFiプロジェクトの評価においてシンプルながら非常に強力な指標です。これは、プロジェクトの時価総額(Market Cap)総ロック価値(TVL:Total Value Locked)で割って算出します。基本的に、MC/TVL比率は、そのDeFiプロトコルのトークン価格が、スマートコントラクトにロックされている暗号資産量に対して割高か割安かを示します。MC/TVLが高い場合、トークンの時価総額がTVLに対して高く(過大評価の可能性)、低い場合はTVLに比べてトークン価格が低い(割安の可能性)と解釈されます。この指標は従来のファンダメンタル指標(PBRなど)に相当する「暗号資産版」として、DeFiのファンダメンタル分析において広く利用されています。

MC/TVL比率の計算方法

MC/TVL比率の計算は簡単です。下記の公式を使います。

  • 時価総額(Market Cap): プロジェクトの全流通トークンの合計価値(トークン価格 × 流通供給量)。
  • 総ロック価値(TVL): プロジェクトのスマートコントラクト(流動性プール、レンディングヴォールト等)に預けられた/ステーキングされた資産の米ドル換算合計。

例として、あるDeFiプロトコルの時価総額が5億ドル、TVLが10億ドルの場合、MC/TVLは5億/10億 = 0.5となります。つまり、TVLの半分しか時価総額がない=割安(1未満なので)の可能性が高いとされます。逆に時価総額が20億ドルでTVLが10億ドルなら、比率は2.0となり、トークンが割高とみなされるかもしれません。

解釈の目安:

  • MC/TVL > 1.0: プロジェクトのトークンはTVLに対して割高の可能性があります。時価総額がロック価値を上回る場合(比率1超)には価格修正(下落)が予想される場合があるので警戒が必要です。
  • MC/TVL < 1.0: プロジェクトはTVLに比して割安と見られます。比率1未満なら時価総額がロック価値より小さく、ファンダメンタルが堅調なら価格上昇余地があると考えられます。
  • 0に近い場合: 極端に低い比率(0に近い)は深い割安状態を示します。バーゲン探しのトレーダーは、MC/TVLが極端に低いプロジェクトに着目しますが、新規プロジェクトやトークン価格がまだ追いついていない場合にもこの状態になるため、追加のリサーチが必須です。

なお、文脈が重要なのは言うまでもありません。1超は即「悪い」というわけではなく、低い=必ずしも値上がりする保証はないです。実績あるプロジェクトが1超で取引されるのは、市場の信頼や追加収益源があるためで、逆に低比率でも何らかのリスクが潜んでいます。この比率は最終的なバリュエーション指標ではなく、初期スクリーニングやプロジェクト比較用ツールとして使いましょう。

Market Cap TVL of Popular Networks

主要チェーンのTVL・時価総額推移 (出典)

DeFiにおいてMC/TVL比率が重要な理由

MC/TVL比率は、DeFi投資家・アナリストにとって過小評価されがちな、しかし非常に洞察に富んだ指標となっています。とくに2025年以降の暗号資産市場で注目される理由は以下の通りです。

  • バリュエーションの即時フィルター: DeFiは変化の激しい分野で、数百ものプロトコルがあります。MC/TVL比率で瞬時にプロジェクトをスクリーニング可能です。低い比率に注目すれば数多くのDeFiから割安候補を抽出でき、効率的に投資調査のリストアップができます。
  • 投資家センチメントのバロメーター: この比率は投資家心理や市場の熱狂を映し出します。TVLに対し時価総額が高すぎると(比率高)、過熱感や投機的ムードを示し、低すぎると慎重/過小評価の兆候と見なされます。例えば強気相場でMC/TVLが3~4の銘柄が続出すると市場過熱の警戒サインに。2021年末にはDeFi全体の比率が0.70前後で、極端なバブルではなかったことがうかがえます。
  • 割安銘柄ハンティング: MC/TVL極小値(大幅に1未満)は「隠れた宝石」と見なされることが多いです。低い比率は市場がロック資産や収益性を本格的に評価していない可能性を示唆します。たとえばプロトコルXがTVL 10億ドル・時価総額2億ドル(比率0.2)なら、TVLがオーガニックかつ安定なら割安注目株として検討対象になりえます。
  • 過大評価の警告: 逆に比率が高すぎる場合、過大評価・バブルのサインとなります。DeFiトークン価格がTVL成長を大きく上回って上昇すると、比率が1超となり、ファンダメンタルから遊離した投機相場である可能性。要因(噂やニュース、投機マネー流入など)を精査し、過熱が冷める際の調整に備えておくのが賢明です。

なぜ2025年市場で注目されるのか: 2020~2022年のバブルと崩壊サイクルを経て、2024~2025年のクリプト業界はファンダメンタル指標重視の傾向を強めています。TVL自体も2024年に急回復、2023年末36億ドル→2024年半ばに1,000億ドル超、2025年には1,700億ドル突破と、資金流入が著しい中で、MC/TVLはトークン価格がブームから実需を大幅に上回っていないかを冷静に測る軸になります。とくに機関投資家がDeFiを評価する際、MC/TVLのようなバリュエーション・マルチプル指標を重視します。

ただし、この指標一つに依存してはいけません。DeFiの評価指標は多面的であり、アクティブユーザー数、プロトコル収益、セキュリティなど他要素も重要。TVLも短期インセンティブ(流動性マイニング等)で一時的に膨らむ場合があり、MC/TVL低下が実はガバナンスの弱さやインフレ通貨設計によるものだったりするケースも。つまり、MC/TVLはあくまで複数指標の一つとして活用しましょう。

TVL and Market Cap of DeFi Protocols

主要DeFiプロトコルのTVL&時価総額 (出典)

TVLと時価総額:何が違うのか?

TVLと時価総額は別の価値側面を示すため、それぞれを正しく理解しておくことが有益です。

  • 時価総額: 投資家による評価を表し、市場がプロジェクトにどのような値札を付けているかを示します。高時価総額はネットワーク効果や期待(たとえばビットコインの巨大時価総額ドミナンスを示す)を反映しますが、時価総額だけでは実際にどれほどプロジェクトが使われているかは分かりません。
  • TVL: 実利用・ユーザーによる資本拘束を示します。プロトコルのスマートコントラクトにどれだけ資産が実際投入されているか(流動性提供、ステーキング、貸付等)を測る指標。高TVLは多くのユーザーが信頼して資産をロックしている証であり、リアルな利用と流動性を表します。例えば、イーサリアムのTVL(すべてのDeFi Dapp合計)はビットコインよりはるかに大きいのは、イーサリアムがDeFi用途メインチェーンであるためです。

どちらか一方が「上」なわけではなく、相互補完的な視点が大切です。時価総額は将来期待などを含む評価、TVLは現時点で実際に使われている規模。だからこそ両者を比率(MC/TVL)で比較することに意味があります。特に2024年初頭時点、ビットコインは時価総額巨大かつTVL極小・イーサリアムはTVL最大でも時価総額はビットコイン未満。MC/TVLのみでも全体像は掴めず、ビットコインはDeFiへの「ロック」はほぼゼロのため比率は1000超、イーサリアムは一桁台でオンチェーン活動の大きさを示しています。

DeFiではいずれの指標も重要です。TVLはどれだけ「預けられているか」を、時価総額はどれだけトークンが市場評価されているかを示す。MC/TVL比率はこれらを統合し、市場心理とオンチェーン実需両面を示します。バランスの取れた分析には両方の観点が不可欠です。

主要DeFiプロトコル(2025年版):MC/TVL比率の例

ここでは、2025年中後半(一例)のデータをもとに、著名なDeFiプロトコルのMC/TVL比率を見てみましょう。

2025年8月時点(概算・例):

プロトコル 時価総額 (USD) TVL (USD) MC/TVL比率
Lido (LDO) – リキッドステーキング $13.2億 $383.2億 0.03(極めて低い)
Aave (AAVE) – レンディング/ボローイング $46.7億 $386.6億 0.12(低い)
Spark (SPK) – MakerDAO系レンディング $1.2億 $65.5億 0.018(超・極小値)
Uniswap (UNI) – DEX $67.2億 $60.9億 1.10(1超)
Curve (CRV) – ステーブルコインDEX $14.0億 $27.3億 0.51(中程度)

データ参照元:CoinGecko/DefiLlama(2025年8月)

解釈: LidoのMC/TVL(約0.03)は圧倒的な割安水準で、数十億ドル規模のETHステーキングTVLに対し、LDO時価総額はわずか数%。この極端な低さはLidoの支配的なETHステーキング(トップTVL)に対し、トークンはほとんど評価されていないことを示します。Aaveも同様に低スコア(0.12)で、レンディング市場全体のTVLを考えるとトークン価格は控えめ。もしAAVEにより多くの価値が還元される未来を想定する場合、割安バリュー投資とみる向きもあるでしょう。Sparkはさらに極端で、Maker/DAI拡張型dAppならではの「価値捕捉の弱さ」や新興市場であることが反映されています。

一方UniswapはMC/TVLが1超(約1.1)。これはトークン市場評価がTVLをやや上回る=流動性にとどまらず、収益ポテンシャルやブランド力、トークンによるガバナンスや将来的な手数料還元などが織り込まれていることを示唆します。実際、主要DEXトークンが比率1超で取引されるのはよくあります。2021年当時はUniswapが2.4前後と他のAaveやPancakeSwapよりも投資家期待プレミアムが高かったのも特徴です。

Curveは0.5と中程度の割安水準。CRV時価総額がTVLの約半分で、ステーブル系プールの資産規模に比し2022年以降のトークン価格下落や流動性マイニング影響が色濃く反映されています。「CurveやBalancerは近年MC/TVLで極端な割安に放置されてきた」と指摘される所以です。

もちろんこれら比率は市場動向で直ちに変化します。たとえばトークン価格急騰/急落、TVLの大量入出金があれば比率は大きく動きます。たとえばUniswapトークン価格が2倍になりTVLがそのままだと、比率は2.2に急上昇し一時的に過熱評価と見られる場合も。

MC/TVL比率を投資ストラテジーに活かす

投資家・トレーダーがMC/TVL比率を活用する方法:

  • 競合比較に: 同じカテゴリーのプロジェクト(例:DEXやレンディング)同士の割安・割高感が可視化できます。たとえばDEX A:MC/TVL=0.5、DEX B=1.5なら、利用や成長性が似ていればAが相対的に割安(またはBが割高)と推察できます。DeFiエコシステム全体でこの指標が低めなら全体割安、Uniswapのように突出して高いものはプレミアム銘柄と読み取れます。
  • 市場サイクル観測: 強気相場ではトークン価格だけ急騰しTVL追いつかず比率上昇。逆に弱気相場では資金引き出し(TVL減)が加速し比率急騰・暴落になるケースも。セクター全体のMC/TVL平均が3~4に到達したらバブルのサイン、極端な低下は悲観や底打ちのヒントとなることも。2025年時点でDeFiセクター全体の平均は仮に0.8~1.0だとすれば、極端なバブルでも底値でもなく、堅調バリュエーションといえます。
  • 異常値で警戒フラグ発見: プロジェクトのMC/TVLが短期間で急騰(たとえばトークン価格の一人歩き)や、TVL急減(ハッキングや資金逃避)・時価総額そのまま=比率が不自然に上がった場合は要注意。ファンダメンタルと乖離した価格ポンプや、ユーザー離れによる信用危機か、追加リサーチで背景を確認しましょう。

注意点: MC/TVLは単独では決め手になりません。高/低どちらも正当な理由が隠れていることがあります:

  • プロトコルによっては、トークンがTVLとは無関係な価値(例:ガバナンストークンによる手数料分配など)を持っている場合、高比率も許容されます。
  • 逆に低比率は、「短期インセンティブ頼みのTVL」、つまり一時的な流動性マイニング等による見せかけTVLで持ちこたえている場合も。リワード終了後にTVL失速なら、そもそもトークン安も正当化されます。
  • フェイクTVLには要注意。 2021年には、二重カウントや無理な高利回り提供でTVLを一時的に膨らませた事例もあり、低比率魅力で飛びついた投資家が後で痛い目を見ることも。

まとめ:MC/TVL比率はDeFiという大海原でのコンパスです。2025年の成熟市場でも実用性は高く、LidoAaveUniswap等主要プロトコルの成長を分析する上で、市場の期待と実需のギャップを可視化してくれます。プロトコル収益、利用者数、リスク管理と合わせて総合的な投資判断に活用ください。どんな指標も同じですが、低比率だけで判断せず、プロジェクト内容、トークノミクス、セキュリティ監査等の徹底リサーチが「原石」と「地雷」を見極める決め手となります。

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